CITYLIFE 地域情報紙シティライフ 懐かしのシネマ~映画監督 リドリー・スコット~ 2025.04.03 今回は映画監督、リドリー・スコット(87歳・英国)をご紹介。著名な監督一家で、弟のトニー・スコットは、「トップガン(1986年、トム・クルーズ主演)」で知られ、2012年8月に68歳没。リドリーの長女ジョーダンを筆頭に、長男ジェイク、次男ルークも映画監督。 日本で大ヒットしたリドリーの作品は、「エイリアン」1979年(S54年)、出演:シガニー・ウィーバ/「ブレードランナー」1982年(S57年)、出演:ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー/「ブラック・レイン」1989年(H1年)、出演:マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア、高倉健、松田優作/「ハンニバル」2001年(H13年)、出演:アンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア/「ブラックホーク・ダウン」2002年(H14年)、出演:ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー/「グラディエーター」2006年(H18年)、出演:ラッセル・クロウ、リチャード・ハリス/「アメリカン・ギャングスター」2008年(H20年)、出演:デンゼルワシントン、ラッセル・クロウ等。2003年(H15年)、英国映画産業への貢献を認められて『ナイト』の称号を授与され、サー・リドリー・スコット(Sir Ridley Scott)となった。 ここで「ブラック・レイン」の逸話を。日本で正月映画に決定したのが36年前の1989年9月中旬。日本の俳優が多数出演、東京国際映画祭への出品もあり、スタッフ一同熱気に溢れていた。映画祭は10月、渋谷のオーチャードホール。9月下旬にフィルムが到着し、まずはスタッフのみで見て、正月興行に相応しい作品と納得。日を改め社内で試写会が行われたが、松田優作は体調を崩し欠席、私は高倉健と挨拶を交わした。とても律儀・寡黙な人でジェントルマンだった。 11月上旬、松田が「膀胱癌」でかなり厳しい状態だと、上層部より口外無用の通達が出た。12月上旬、興行がスタートし、多くの客が詰めかけ大ヒット。年が変わり、松田死亡のニュースが流れるが、松田は前年の11月6日、入院中の病院で40歳の若さで死去していた。「ブラック・レイン」が彼の劇場映画の遺作となった。 ●昨年より米国映画の興行成績が振るわない! 令和6年、日本での邦画は約1558億、前年比105・1%に対し、洋画は約512億で前年比69・8%と大幅ダウン。63年ぶりの全米俳優ストライキ(118日間)の影響が大きかったようだ。その中でも、変わらず世界でヒットしているのは、トム・クルーズの主演映画。彼の次回作は「インポッシブル・ファイナル・レコニング」、5月23日、日米同時公開。 ※文中、一部引用あり ◇黛葉(まゆずみ・よう) 茂原市在住。1942年生。元映画配給会社宣伝プロデューサー。現役時代は年200本以上を鑑賞、現在、放送された洋邦画の録画DVDは1100枚以上にのぼる。