勝浦市の川津港近く。看板も何もない小さなお店の前には、無造作に天草が干されている。むせ返るほどの礒の香りが漂う中、ところ天の製造・販売元『はまゆう』はある。
「こっちに来た時、お土産に買って帰ったとか、地方の方からも注文があるんですよ。『はまゆう』のところ天じゃなきゃって(笑)。去年とは全然違うわね」と、今年の寒天ダイエットのブームも影響して、嬉しい悲鳴をあげているのが、代表の田村光子さんだ。
勝浦は、ところ天の原料である天草の収穫高が外房地域の3分の1を占めるそう。だが、昔から天草はそのまま長野などの工場に出荷するものと考えられていた。
「磯が荒いから、この辺はいいものが採れるのよ。プロのおばちゃんたち(海女)が深い所に潜って採ってくるから、みんな長くてしっかりしたものばかりなの」と話す田村さんは、そんな天草を出荷するだけなのは惜しいと、主婦仲間の吉清洋子さんと3年前、100%川津産の天草を使用したところ天を作ろうと『はまゆう』を設立。主に田村さんが製造を担当。吉清さんが配達担当と、たったふたりで回しているため、今年の夏は目の廻る忙しさだった。
『はまゆう』のところ天の特徴は、持ち上げると弓形にしなるほどの弾力があるところ。もちろん酢醤油でいただくのも最高だが、黒蜜がこれまたおすすめなんだとか。勝浦を中心に北は岬、南は鴨川、そして大多喜のスーパーで販売中。650g入り315円。地方発送可。他にも乾燥させたさらし天草50gも販売しているので、自家製ところ天にチャレンジしてみるのもいいかも。(菅家)