大網駅の北西、宮谷にある本国寺。ここには江戸時代、若い僧が学問を学んだ学校があり、明治2年には、たった2年間だが県庁も置かれた。その宮谷県庁の名にちなんで名付けられたのが、創業は江戸時代といわれる和菓子の老舗『菊屋本店』の『宮谷餅』だ。
「先々代が大正時代に、このお寺の縁日できな粉やゴマをまぶしたしんこ餅を見て、それをヒントに作ったそうです。しんこ餅はすぐ硬くなってしまうから、日持ちがしておいしくて、お土産にも喜ばれるものをと考えたと聞いてます」と話してくれたのは、第11代目店主の立川昭司さん(65)だ。
『宮谷餅』は、ついた餅をさらに裏ごししたものに砂糖を練り込んだ牛皮であんを包み、きな粉とごまをまぶして作る。あんは北海道から取り寄せた小豆を使い、食品添加物は一切使用していない。が、餅に砂糖を練り込むことで固くなりにくく、殺菌・防腐効果もあり常温で1週間は大丈夫。そして口直しにと添えられたシソの実の塩漬けがうれしい。これは地元の農家で栽培されたシソの実を使った自家製。
甘さを抑えたその『宮谷餅』は、「先々代の味そのままです」という立川さんは、高校卒業後、和菓子の修行に入り11代目を継いだ根っからの和菓子職人だ。
4年に1度開催される全国菓子大博覧会で有功金賞、名誉金賞、全菓子大賞を受賞。おいしさは実証済み。お店には他にも、すあまやおまんじゅうが並ぶ。『宮谷餅』は10個入り1本、1000円。お店は旧大網駅そば。電話注文も可。 (菅家)