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 広く伝えたい郷土の保存食

イワシの卯の花漬け
秋刀魚の押し寿司

 カタクチイワシを九十九里ではセグロイワシと呼ぶ。魚の中でも一番傷みが早いといわれ、生で食する地域は限られている。そのセグロイワシの保存食として『イワシの卯の花漬け』があり、今も九十九里では郷土料理として作り続けられている。

『イワシの卯の花漬け』
 セグロの頭と腸を取り、手開きにして骨も取り除く。きれいに洗い、5、6時間塩漬けにする。それをさっと洗い、砂糖40gを溶かした酢100?に1日漬けておく。 
 鍋におから150gに砂糖80gと酢20cc、塩少々を入れ、弱火でベッコウ色になるまでかき混ぜる。冷めてから刻んだニンジン、生姜、ゆず(適宜)を加え、イワシ200g(酢に漬けて水分を軽く取った状態)を加えて混ぜるだけ。
「これだけで冷蔵庫で1週間、冷凍すればかなりもつ。イワシを漬け込む酢に入れる砂糖は好みで。ここで使うゆずは四つ切にし、皮を薄くスライスして砂糖をまぶして冷凍にしておいたもの。こうすれば何年でも色が変わらず使えます」と大網白里町で『郷土の食文化を伝える会』の加藤岡美佐子さん。加藤岡さんは町内で開かれる朝市に自家製の卯の花漬けを出品するほどのベテラン。今回、秋刀魚の押し寿司も教えていただいた。
秋刀魚の押し寿司は九十九里の地域以外でもよく作られるが、背開きにするか否かで地域に差がでるらしい。九十九里の押し寿司は背開きで、必ずゆずが入るようだ。

『秋刀魚の押し寿司』
 鮮度のよい秋刀魚5匹を背開きにし、腸を取りきれいに洗い、頭を切る。1時間くらい水にさらし、血抜きをしてから水分をきり、1晩塩漬けにする。骨を取り、さっと洗い、砂糖200gを溶かしこんだ酢500ccに2晩漬け込む。その中にすし飯を詰め、刻んだ生姜、赤トウガラシ、ニンジン、ゆずの皮などを1段ずつまぶしながら重ね、重石をする。
「作ってすぐ食べられるが、発酵が進んだ1週間目くらいもおいしい。すし飯はもち米とうるち米を半々にするのがコツ。時間が経ってもご飯が硬くもぱさぱさにもならない」と加藤岡さん。郷土の味と共に伝えたいコツのようだ。(大谷)

 



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