千葉の外房地域で今ショウサイフグの釣りが盛んだ。フグ目フグ科トラフグ属に入るショウサイフグは釣る目的のものと違う釣り上げた魚の俗称であった「外道」として扱われることが多かった。
しかし味は良く、大きいもので35センチにもなるので釣り人には人気があり、大原では20数年前からショウサイフグ釣りを専門にする船宿があるほどだ。
主に「カットウ釣り」といって、餌の下に錨型の針をつけ、あたりがあったら魚を引っ掛けるように釣るのが外房では一般的。 口が小さいフグのあたりは微妙なので、マニアックな釣りではあるが、初心者は絶えず竿をしゃくりあげる方法で釣ることができる。
大原で最初にショウサイフグ専門の釣り船を出した船長の齋藤俊一郎さんは「大原ではトラフグも釣れるが、たくさん釣れるのはショウサイフグ。味も良いから安くてフグがたくさん食べられる。ここでは釣りあげた人だけの特権。客は東京辺りからも来る」と話す。
フグといえば毒が怖いが、ショウサイフグにはトラフグと違って皮に毒がある。また肉にも弱い毒があるが1キロを越す量を食しない限り問題ないという。フグは専門家の処理が必要だが、齋藤さんのところではフグの処理師の免許を持つスタッフが素早く頭や内臓、皮を取り除き、食べるだけにしてくれるので安心。生きたままのフグをさばくのに一匹数秒の早業だ。
ショウサイフグ専門の釣り船の出港は10月から4月いっぱい。3枚におろしたフグをできるだけ薄くそぎ切り、紅葉おろしとポン酢で食べるのが一般的だが、フグ鍋の「てっちり」も寒い時期が特に美味しい。また塩水に漬け、一晩干したフグも酒の肴にこたえられないと、左党にはうれしい魚といえるだろう。(大谷)