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乗馬の楽しさを広め、
馬を通じて社会貢献する第2の人生を。

 高滝ダムから木更津方面へ車で数分。市原市山口に、今年2月オープンした乗馬クラブ『長谷川ライディングファーム』がある。オーナーは長谷川一誠さん。勤めていた企業を定年まで数年残して退職、長年の夢だった乗馬クラブを作った。「乗馬は、自分で馬の世話をし、馬とコミュニケーションを持って、馬とともに楽しむスポーツ。その延長上に乗馬クラブがあるんです。自分の馬と一緒に生活を楽しむ、というのでしょうか。乗馬がとても好きな人の多くは、自分のクラブを持ちたいと思っていますよ」。

 長谷川さんが乗馬を始めたのは18年前。成田にある乗馬クラブの無料体験に奥さんが応募し、当選した。長谷川さんは奥さんの代わりにひとりで乗馬をしに行ったという。最初は馬が大きくて怖かった長谷川さんだが、乗ってみると目線が高くなり、驚いた。「視界が開ける、という感じかな。気持ちがよかった。これは家族で楽しめるスポーツだと思い、その場で家族会員に入会しました。それ以来、家族6人で乗馬をしてきたんですよ」。  長谷川さんのサラリーマン生活は、乗馬によって張り合いと活力があるものになったという。どれほど仕事がきつくても、週末には必ず馬に乗り、馬の世話をし、クラブに通ってくるメンバーやスタッフの指導、調教を行った。馬とともに汗をかき、競技会へ参加し、馬とのコミュニケーションを楽しんだ。「サラリーマン生活を大過なく過ごせたのも、仕事を頑張ることができたのも、馬に助けられてきたからでしょう。体を動かすことだけでなく、精神的にも癒してくれました」。

 その中で、長谷川さんは馬とのコミュニケーションを通じて、社会復帰を果たした人を見てきた。馬の世話をすることによって、知的障害を持つ人が学習能力をあげていったり、引きこもりをしていた人が自信を持って社会復帰していった。「ホースセラピーというものが日本に入ってきたのは約10年前。定年後の第2の人生を考え始めたとき、好きな乗馬で社会貢献できたら、とても素晴らしいことだね、と妻と話すようになりました」。周囲からも、乗馬クラブを作るなら、体力のあるうちに独立した方がいい、と言われるようになった。ちょうど、勤めていた会社では、早期退職制度に加え、特別休職制度ができた。これは転職や事業を興す準備のために、1年間会社側が バックアップする制度だった。55才になった長谷川さんは、本当に乗馬クラブの経営ができるかどうか、勉強して見極めようと考え、休職した。創業者セミナーに参加したとき、講師が市原のゴルフクラブ場で常務理事を務めている西澤さんだった。「彼が、今の敷地を借りているゴルフクラブの副理事長を紹介してくれました。彼との縁で、高滝に乗馬クラブを開くことになったんです」。

 現在、習志野にある自宅はそのままに、馬9頭を世話するため、クラブの敷地内のプレハブに長男と奥さんとで泊まり込んでいる。長男は関西の乗馬クラブで、馬2頭を調教して競技会に出場し、上級メンバーの指導を行ってきた。幼稚園の先生になった長女は、高校3年の時に全日本ジュニア馬場馬術で全国3位の成績を修めた経歴があり、時々長谷川さんを手伝ってくれる。三男は大学生、今年1年間は休学し、(社)全国乗馬倶楽部振興協会の研修に参加、乗馬技術、馬の管理、乗馬クラブ経営を学んでいる。「私たち夫婦はただ楽しむ乗馬を続けてきただけ。馬と一体になって走り、跳び、落馬の危険性からくる緊張感を持ちながら、馬と一緒に楽しんできました。乗馬では、栄誉は馬と乗り手で分かち合うもの。家族共通のスポーツとしても、素晴らしいものです。話題に事欠かないし、クラブには、自分を待ってくれている馬がいます。馬とのコミュニケーションがもたらしてくれる喜びを、ひとりでも多くの人に知っていただいて、役立てていただければと思います」。乗馬の指導や調教の経験は豊富な長谷川さんだが、これからは本場イギリスのホースセラピーを学びたいと思っている。それと平行して、どこまでホースセラピーを実施できるか、施設などに問い合わせて話をしていかなければ、と考えている。「厩舎と馬場は完成していますが、周囲はまだまだ手を入れる場所がたくさんあります。それを整えながら、頑張りたいと思います」。   (米)

《お問い合わせは》
長谷川ライディングファーム
長谷川 一誠さん(56)
電話 0436−50−9550
2日間乗馬体験あり(経費のみ)

 



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