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千葉学芸高等学校(東金市)

 副校長 関勝夫さん
「他校に先駆け『個性尊重』とコンピュータ教育の実践を」

 村杉理恵さん
「将来の夢がなくても、この高校で見つけられると思います」

 現在、県内の私立高校は60校近くあるが、少子化により生徒集めは容易でないと聞く。このような状況の中で、創立114年の歴史を持ちながらも新世紀をめどに新しい学校づくりを目指し、好調なスタートを切り、注目されている高校がある。千葉学芸高校だ。 
 1887年(明治20年)、千葉県で最初の女子高等教育機関として創立された東金女子高等学校が2000年の共学化に伴い、校名を変えた。何故、女子校として長い歴史と伝統を誇る学校が共学化に踏み切ったのか。関副校長は   
 「時代の流れです。世の中、共学化志向が強くなり女子校の志願者は減る一方。かつては男子校もあったが、いち早く共学化してしまった」と、話す。共学化の傾向は県下のみならず、全国的に広がっている。ここ10年、前身である東金女子高校にも各地の中学校から「共学化してほしい」と要望が強く寄せられてきていた。共学化の初年度は元が男子校なら女子、女子校なら男子の入学希望者は少ないのが常だが、千葉学芸高校は男子生徒の募集1年目から希望者が多かった。1年生の1クラスは約40名。うち、男子生徒の数は6割を占める。また、「どうしても、この高校に」と遠方から通学する生徒も。
 「通学時間が1時間位の生徒は多いです。昨年入学した男子生徒は地元山武郡市が3割、千葉が4割、印旛郡市が2割で、あと1割が海匝や旭、船橋や市原等からですね」。
 定員を確保するのさえ難しく、公立高校でも定員割れという現状。千葉学芸高校が中学生の心をつかんだ要因を尋ねると、
 「新しい学校づくりには生徒の力も必要だと『あなたも新しい高校づくりに参加しませんか』とアピールしてきたこと、我が校のモットー『個性尊重と特性の重視』に共感を持ったこと、コンピュータを学ぶ環境が整っていることでしょうか」と関副校長。
 最近になって『個性尊重』の視点で入試における選抜制度を行う学校が増えてきたが、関副校長の答えからは20年前からこの制度を取り入れてきた自信が感じられる。
 「いわゆる一芸入試。たとえば、ある生徒は中学時代にジュニアのゴルフ大会で優秀な成績だったので一芸入試に合格。この生徒は1年生で高校の全国大会に出場しました。また、子供の頃からボーリングが好きという生徒は、県大会で準優勝し国体の選手に選ばれたりと他にも例はたくさんあります」。
 生徒と、にこやかに挨拶を交わす関副校長。
 「一流企業に就職すれば安泰という時代は、もう終わりました。これからは自分の力で自分の持つ特性を生かしていく時代です。だから、資格の取得や得意分野の実力を磨き、自立した人間に育つよう指導しています」。
 そのためのサポート・バックアップ体制は惜しまない。活発な部活動の成果を挙げると、全国高校新聞コンクール銅賞、県吹奏楽コンクール銀賞、全国高校総合文化祭に箏楽クラブが県代表で参加、ゴルフ大会高校生の部で連続優勝等々、枚挙にいとまがない。
 資格取得や検定試験に挑戦する生徒も多い。ワープロ検定・コンピュータ検定・カラーコーディネーター検定など実務的なものから、家庭科技術検定・茶道・華道の許状、武道の段位など特技や趣味を高めたものまでと幅広い。
 そして、学校自慢のコンピュータ教育。
 「一人1台ずつのコンピュータ教育は1980年に始め、1994年に新設した多目的室ではコンピュータ・グラフィックによるカラー・色彩教育を。デザイン・印刷・出版等、新しい分野への進出が期待されています」。
 15倍の競争率をクリアし、平成7年に文部省・通産省の『100校プロジェクト』に、平成9年には同『新100校プロジェクト』の参加校に選ばれた。インターネット教育の実践的な研究を行い、NHK教育テレビの番組でコンピュータグラフィック教育の模範事例として紹介もされた。
 授業は月曜から金曜までの週5日制。土曜日は自主学習日。部活動や特別講座、特別教育活動に励む生徒もいる。
 1年生は普通クラスで、2年生になると進学・国際・情報・福祉の中から希望のコースを選択する。
 学校行事も盛んで学園祭や体育祭・修学旅行をはじめ、スキー教室・富士登山・海外研修等も。この学校らしい行事がコンピュータ・グラフィックアーツコンクール。校内コンテストで優秀作品を表彰。全生徒の作品を掲載したデザイン集を作成し、関係団体にも配布する。これを見た印刷出版会社から「このような技術を持つ生徒がほしい」という申し出が多数くるそうだ。
 卒業後の進路は、進学と就職が半々。進学の2割が短大・四年制大学で、8割が専門学校。在学中に身につけた資格や実力をパワーアップしたいと、近年専門学校への入学希望者が増えている。就職難といわれる今、千葉学芸高校も例外ではないが、
 「他校に比べれば就職率は良いと思います。我が校は専門的なものを学ばせているし、歴史があるので昔からおつきあいのある会社が多いのです。特に、販売職が強い。また、コンピュータ教育に実績があるため、この方面の求人も増えています」
 ここで、コンピュータ部の副部長を務める3年生の村杉理恵さんに、お会いする。情報コースで学び、大学の推薦入試を目前に控えている。
 「この高校を選んだのは、パソコンに興味があったことと、入試の時に会った先輩達が皆明るくて優しかったので、気に入ってしまったのです」。
 高校に入るまでパソコンには触れたこともなかった村杉さん。
 「パソコン使えたらカッコいいな〜なんて憧れていました」と話すが、2年生の時に全商のワープロ実務1級を、3年生になりグレードアップし日商のワープロ技能検定試験1級に1回で合格した。
 「始めたらいろんなことができるんだな、と楽しくなりました。今後は、コンピュータそのものについての理解を深めたいです」。
 他校の友人には、週休2日制とコシノヒロコデザインの制服が可愛いと羨ましがられると、はにかんで笑う。
 卒業まで、あとわずか。
 「アッという間の3年間でした。楽しくて充実していたと思います。面白くて個性的な先生方が多いし、気軽に話せる雰囲気も好き。将来やりたいことや夢がなくて入学しても、私がそうだったように、この学校でそれは見つけられると思います」。(内)

 



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