たった5名が会員の「ブレーメン」は弦楽器だけを演奏する会だ。現在バイオリン3名、ビオラ1名、チェロ1名で成り立っている。
代表の拝野克行さんは9年前、大阪からあすみが丘に引っ越しをしてきた。当時は小学校のPTA活動で近所の人たちと顔を合わせる機会が多かったが、老後を考えると隣人とのつきあいの希薄さに不安だったという。学生時代少々ビオラをかじった拝野さんは、音楽を通じて仲間作りをと音楽サークルをつくり、そのなかにいた現在の仲間と『ブレーメン』を立ち上げた。
「私なんか根っからの会社人間。子どもが独立し、定年退職でもしたら何もありませんよ。寂しいもんです。それで今から何か打ち込める趣味と気のあった友人が欲しくて、ギターでも歌でもなんでもOKのサークルを始めました。私は最初エレキベースをやっていましたが、やっぱりビオラがやりたくてね。他のメンバーでバイオリンをやる人がいたので、最初のサークルは他の人に任せて、思い切って弦楽器だけの会をつくって独立しました。それがブレーメンです」と当時を振り返る。
一般に弦楽器などは、子どもの時から始めないと上達しないといわれる。ピアノのように鍵盤を押せば音がでるというものではない。自分で音をつくりだす作業である。「全くこの年になると三重苦です。音感、リズム感、奏法なしの状態ですから。それでも楽器は子どもの時からやっていなければ出来ないというものでもありません。曲を合わせるくらいはできるようになります。でも一人だったら挫折しますよ。練習に誰か付き合って欲しいじゃないですか。技術より気持ちで付き合ってくれる仲間がね。今ではコミュニケーションはばっちりです」。
メンバーのひとりは、「全体の曲数では、オーケストラで演奏される交響曲より、弦楽器だけで演奏される曲のほうが多いんです。いろいろな曲を弾けるのが魅力ですね。またオーケストラではなかなかソロをとることが出来ません。弦楽器をやる人はひとりでは寂しいけど、目立ちたいと思っている人がやる楽器かもしれませんね(笑)。技術はまだまだなので、みんなで練習していて、たまにきれいなハーモニーになることがあると『幸せ』って感じです」と話す。彼女は子どものバイオリン教室に通う間に自分も演奏することに夢中になり、現在に至っている。
会員が少ないだけに練習の合間の会話も楽しく、親密なものとなるという。「お互い、音楽を媒体に知り合いましたが、今では音楽抜きでもいい関係が出来ています。性別や年齢に関係なくつきあえるのは本当にありがたいです」とメンバー。
当面の目標は11月に行われるあすみが丘プラザ祭りでの発表。その後はブラームスの弦楽6重奏に挑戦する。どのメンバーも、忙しい合間をぬって練習にいそしんでいる。(大)