《お花見のご馳走》
・桜寒天・嶺岡豆腐・よもぎご飯・桜ご飯・桜餅・鮭のピーナツ味噌焼き・菜種和え・タケノコ・お吸い物(桜、タケノコ、めかぶ)。
手渡された紙に今日のメニューがプリントされていた。薬膳料理「菜の花会」の15回目の開催日。
茂原市東部台文化会館の調理室では、会の主宰、森朝子さんと8人の会員の皆さんが和気あいあいと料理を作っている。森さんは、
「薬膳料理というと親しみにくいイメージがあるようですが、私は自分達がいつも食べている食材を使って健康を保てるような料理と考えているのです」と話す。
ご主人の転勤にともない秋田、東京から千葉に来て3年。東京に住んでいる時に中国料理を学び、食文化研修生として中国にも行った。本場、中国の伝統ある薬膳料理を会得した上で、「地元でとれる旬の食材を使いたい」という。
会では毎回、季節感を盛り込んだ料理を作る。今回は桜の時期なので桜尽くし。魚はサクラマスを使いたかったが、手に入らなかったのでサケにしたとか。
「千葉は新鮮な海山の幸に恵まれた土地。でも、地元の人は意外と食材について知らないようです。もっと、地場産の食材を見直してみてほしい」と森さん。
花見に行った、骨董市をのぞいてきた…など世間話に花を咲かせながらも、皆さん手際よく調理の手を進めてゆく。
「食材についての知識や栄養のバランスの大切さなど、健康に良い『食』というものを自然のうちに教えてもらっている」とは、会員の皆さん全員の意見。
「よく料理の本や教室では、材料はカップ何gとか何ccとか細かくて面倒。この会では目分量でいいし、誰が何を作るという担当も決めないので堅苦しくなくていい」との感想も。
森さんが料理作りで心がけていることは7つ。
・身近な材料で・季節のものを使って・油を控えめに・栄養のバランス良く・作り方はなるべく簡単に・スピードをあげて・おいしくて健康に良いこと。
昼を少し回った頃、全ての料理が出来上がり、館内の和室で食べましょうと、めいめい膳にのせ移動。
会員の大半は茂原市に住むが、白子町から片道1時間かけて自転車で通う人も。
「それだけ楽しみにしてるんです。実は私、今日で3回目の参加なんですが、みんなの中に自然にとけこめる会の雰囲気がいいですね」。
他の皆さんも「身近な材料を使うのですぐ家でも作れるのがいいし、ワンパターンになりがちな毎日の食卓を考え直すいい機会にもなる」、「みんなで楽しく料理を作って食べるのは学生時代にかえったみたいで、なごめるんです」と口々に話す。
今回の料理に使われた桜の葉は、森さんが築地で仕入れたプロ向けのものだが、桜の花やヨモギは朝、自宅の近くで摘んできたもの。
嶺岡豆腐は葛と練り胡麻と牛乳で作り、ワサビ醤油で食べる。その名は8年ほど前に日本料理の本で知ったが、地元である酪農の地、南房の嶺岡に行っても誰も知らない。史料をひもとき自己流で作ってみた。
食用にはされない花オクラや出荷できないが味は良い「クズみかん」など、ちょっと身の回りを気をつけてみれば、第一級の味覚になるものも多いと話す。
桜餅は森さんのアイディアで、煮た花豆をあん代わりに使う。餅に花豆をひとつ入れ桜の葉で包む。「道明寺みたい」と、皆さん桜餅を前に満足げ。あんよりサッパリした甘さ。
鮭のピーナツ焼きは、塩と酒をふっておきオーブンで焼いたあと、ピーナツバターを醤油とだし汁で溶いたピーナツ味噌を塗り又オーブンで焼く。
菜種和えは、鶏ササミと
新キャベツとシイタケ、ゆで卵の白身を菜種酢(酢、醤油、砂糖、だし汁、塩)で和え、裏ごしした黄身を振りかける。
現在、会員数は15人。「皆と家族のようにおつき合いしたいから、ひとつのテーブルを囲める位の、この人数がちょうどよいのです」と森さん。
1・5・8・10月はお休みで年に8回の活動。次回は6月に開催するが、会員募集は年1回。毎年2月に市の広報で募集要項のお知らせをする。(内)