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NO.29

―東金アマチュア無線クラブ―(東金市)

交流の輪を広げるアマチュア無線
「趣味の王様」
▲取材に応じて下さったクラブの、左より
飯高さん、海老沢さん、石井さん、杉崎さん。

 アマチュア無線は、「趣味の王様」との異名があるという。
 東金アマチュア無線クラブの会長・石井文義さん(67歳)はその最大の理由について、「年代に関係なく交流ができるから。例えば小学生と大会社の社長さんも無線を通じて対等な会話が可能ですしね」と語る。
 携帯電話の普及も相まって、アマチュア無線というと一部にマニアックなイメージもあるが、東金アマチュア無線クラブは、中学生から75歳までのメンバー約100名から成る県下有数の大所帯。機械いじりが趣味のメンバーもいれば交信カードを集めている人、話をするのがとにかく好きという人まで様々な楽しみ方をしているという。
 親睦を第一とし、月に2度決まった時間に行うスカイミーティング(無線を通じて集合、点呼)の他、移動ミーティング、総会、忘年会等など実際に顔を合わるレジャーも多い。
 ちなみに、移動ミーティングは「家族の理解があってこそアマチュア無線が続けられる」との考えの下、ファミリー同伴で集う小旅行。車30台でキャンプに行ったこともあり、この時などは得意の無線を活用して全員が道を間違えることなく目的地に到着したとか。
 発足は昭和50年12月。前年に資格(「アマチュア無線従事者免許証」)をとった石井さんを中心に、副会長の海老沢政夫さん達の発起人が、東金市内のコールサインを持ったアマチュア無線局全員に手紙を出し、クラブ設立に際しての賛同を集めた。
 今や車載のものも含め10数台の無線機を所有する石井さん。アマチュア無線を始めたきっかけは、当時中学生だった息子さんとの会話づくりのためだという。
「だんだん親と子で話をする機会が少なくなってきて、同じ趣味を持とうと思って揃って免許を取ったんです」。
 参考までに、アマチュア無線従事者免許証を取得するには国家試験にパスする必要がある。ただし、問題は小学校高学年から大学生レベルと幅広く出題され60%正解すればOK、年齢制限等受験資格は特に設けられていない。免許を取得しアマチュア無線局を申請すればコールサインが与えられる(各自がそれぞれの無線局の局長となる)というわけだ。
 だから、「ウチでは娘が小学生の時に資格を取らせたんですよ」と海老沢さん。杉崎さんも「家族全員が資格を持っていて、電話がわりに使っています」と言う。電話は1対1でしか会話ができないが、無線の場合、複数でのやりとりができるのも都合がいい。
 しかも、アマチュア無線の電波使用料は、年間わずか500円。最近クラブに入会した高校生は、携帯電話を使うとお金がかかるから、という動機でアマチュア無線を始めたという。(但し、営業用の会話はダメ)。
 もっとも、クラブの姿勢としては単に楽しく便利な趣味としてでなく、「公共の電波を使うからには、社会還元をする」という基本的な考えを貫いている。
 これまでの実績としては、駅伝支援(有事の際、警察と消防の無線だけでは足りないため、中継所の緊急連絡)、防災訓練(架空の被害を想定して対策本部に通報する通信訓練)等。また、クラブとしてではないものの、かつては大多喜の水害や山での遭難者の救助にアマチュア無線が活躍した例もあり、さらに最近では、阪神淡路大震災で電話回線がパンク状態になった時、不特定多数、広範囲の情報収集に役立ったとして注目された。
「交信ができるということを何かに活用できないか、ということで…今では災害が発生した時に役立つよう訓練しています」。
 そして、「無線には国境がない」。アマチュア無線の資格はいわば『世界と交信できる資格』だ。
 電離層を使って、地球の裏側の人と会話ができ、それを通じて外国の人と仲良くなり、交流の輪が広がる。実際、石井さんの息子さんは高校生時代に、英語が得意な友達と一緒に無線機の前で、外国の無線局との会話を楽しんでいたという。英語は友人が担当、無線機の操作は息子さんが担当という具合に役割分担して。
「それだけじゃない。小学生も大人と話していると自然に礼儀正しく挨拶のできる人間になるんです。挨拶は習慣。小さい頃からコミュニケーションを上手にとれるようになり、キチンとした話し方ができるようになっていれば、不登校や引きこもりなど起こりっこないでしょう」
 考えるに、それらすべてがアマチュア無線を「趣味の王様」と言わしめる所以かも知れない。 (富川)   

事務局/海老沢商店内 
TEL0475-52-2221

 



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