植樹された杉林を再びクヌギやコナラ、ヤマグリなど広葉樹の林に戻そうとする会がある。
杉林の所有者の清水芳明さん(43)が知人に呼びかけ、3年前から活動が始まった。山の傾斜地にある約300坪の杉林が活動場所になる。
最初は5人でスタートしたが、ホームページをつくり広く活動内容を知らせたところ、山武地区以外の東京や千葉市から人が集まり、現在の会員は約30名にもなった。
中には千葉県の林業試験場や県立博物館の職員もいるが、あくまで山仕事に興味がある一般の人が中心になる。
主な活動内容は、杉の木の伐採、地ならし、種の採取、植え付けなど。維持管理として草刈り、枝打ちも行う。
「枝打ちし日が差すようになった土を『かきならし』といって土を軽く掘り返すと、今まで発芽しなかった種が芽を出すんです」とメンバー。
東京から参加した女性は「いつも12歳の娘と参加しています。リゾート地へ行って遊ぶより、ここで目的をもって作業する方が楽しいですよ。のんびり無理をせず、というのも気に入っています」と話す。
当日は小学生を含む15名が参加。大人達が下草刈りをしている間、ミミズやカタツムリ、ひょっこり姿を見せたカナヘビをお父さんに捕まえてもらい大騒ぎ。卵があるキジの巣も発見した。
昼食は各自持参だが、この日はシイタケ、タケノコ、ワラビが入った味噌汁が振る舞われた。これまでにも、近隣で集めた山菜を天ぷらにしたり、缶を簡易オーブンにしてピザを焼いたこともある。
また、時々行う薫製づくりや炭焼きなども、楽しみのひとつになっている。
午後の活動は、伐採した杉の木の有効利用を考えたログハウスづくり。設計図も自分達で考えた。
「さすがに杉の木を伐採するのは業者にお願いしますが、切った杉の皮をむき寸法を測り組み立てるのは私達が行います。プロがいないので試行錯誤です。実際、ログハウスを見に行って勉強もしました」と参加者の一人。
ログハウスは、切った木をその場で整え組み立てていく。道具をいかに使いこなせるかで、出来映えが違ってくる。
「チェーンソーなど普段の生活にない道具を使うのは、とても楽しい」と女性にも好評だという。
3年前『かきならし』で発芽した木が成長して、人の背丈ほどになっている。このまま間引きを行わず自然淘汰されるままにするべきか、また近辺にない種類の木を植えるのは問題ではないかなど、インターネットを使い会員以外からも広く意見を募る。
参加費は1回500円。6回以上は無料となる。山仕事を体験したいと思う人なら、各自の許す時間の範囲で自由に参加できる。
「今後もこの会の主旨に賛同する多くの人の穏やかなつながりで運営していければと考えています」と清水さん。
目を楽しませる紅葉の秋。クリやドングリ、キノコなど広葉樹林は自然の贈り物でいっぱいになる。そこに集まる虫や鳥などの小さな生き物。
みんなでつくる林は、命の大切さも教えてくれるに違いない。 (大谷)