風を切るようなジャンプシュート。ゴールキーパーの死角をついて、ボールがゴールに叩きつけられる。一瞬の出来事だが、シュートの動きから目が離せずビデオをスローで見ているような気分になる。シュートシーンが印象的な球技『ハンドボール』は、バスケットとサッカーをあわせたようなスポーツ。コートは縦40メートル横20メートルと広い。1チーム、キーパー1人を含めた7人で試合をする。使うボールはバレーボールよりやや小ぶり。性別、年齢別で、ボールの大きさが違う。バスケットのように、ボールを味方にパスやドリブルでまわしながら、敵のゴールへシュートする。サッカーゴールを小型にしたようなゴールでは、キーパーが体を使ってボールを止めようとする。
「あらゆる球技の中で、シュートする姿が、一番かっこいいスポーツだと思います」と話すのは、ハンドボールチーム『市原クラブ』の代表、高田俊一さん(43)。高校の部活でハンドボールを始め、関東大会やインターハイ、国体などで活躍した。当時、千葉県で開催された若潮国体の影響で、様々なスポーツ指導員が招かれ、その成果が実を結び始めた頃。ハンドボールもそのひとつだった。「私の通っていた市原高校をはじめ、鶴舞高校、京葉高校は常に関東でトップを争っていました。市原はハンドボールの強いところだったんです」。その後、指導員不足や他球技に人気が移ったことから、次第に高校の部活からハンドボールが消えていった。社会人となってしばらくハンドボールから離れていた高田さんだったが、部活で指導してくれた恩師の葬儀で久しぶりに仲間と再会。「また始めようじゃないか」と、昨年5月ハンドボールチームを結成。かつてのライバル、鶴舞、京葉高校のOBも交え、18名で大会の参加も開始した。
体力では若い人に劣っても、マイペースで楽しくがモットーの『市原クラブ』。8月17、18日には『全国ビーチハンドボールフェスティバル富浦さざ波大会』に参加する。ボールは小ぶりの柔らかいものを使い、試合人数は1チーム4名、コートも規定の半分ほど。富浦町が発祥のレジャースポーツ、ビーチハンドボールは『市原クラブ』のように楽しみたいという気持ちで参加するチームもあれば、有名選手を抱える全国レベルの実業団や社会人チームもある。見ごたえは、十分という。前回、ビーチハンドボール大会に参加したときの対戦相手は全日本トップレベルのチーム。「どうしようか」と思ったが、レベルが違っても明るくのびのびと善戦。勝ち負けよりも、好きなハンドボールができることを楽しむのが、スポーツを続けるコツという。現在、大会へ向けて練習中。メンバーが社会人ということもあり、毎週集まることはできない。毎月第2土曜日の午後4時からの2時間半、千葉市にある県立土気高校の体育館を借り、市原京葉高校OBチーム『千隼(ちはや)』と練習をする。
「私たちの若い頃のように、もっと市原でハンドボールを楽しむ人が増えてくれればいいと思っています」とメンバーの高浦さん。見慣れないスポーツなので、市内に広めようと思っても、どういうものか分かってもらうまでが大変だという。メンバーのひとり加藤さんは、国分寺台周辺の小学生に声をかけ、毎週金曜日の午後6時から国分寺台小学校で練習をしている。少しでも興味のある子どもたちは国分寺台小学校まで見に来てほしいと呼びかける。「親子でも一緒に楽しめるスポーツです。子どもと一緒にスポーツを始めてみたいという方大歓迎です」。まったくの初心者でも、基本から指導するので、気軽に声をかけて欲しいという。まずは見学からでもOK。ジャンプシュートを見に行くだけでも胸がスカッとする。(斉)