rogo.gif (12264 バイト)

NO.93

― 三和そばの会 ―

栽培から手打ちまで―名人めざして楽しむ「田舎そば」

 こねて、のして、切る。その素朴さゆえに、打ち手の個性が出るといわれるそば打ち。健康食ブームも手伝って、そば打ちを趣味にする人が増えている。栽培から、挽き、打ち、つゆ作りまで、そばを通して食文化を学ぶ『三和そばの会』を訪ねた。
 月末の日曜日、三和コミュニティセンターで行われるそば打ちは、額に汗して玄そばを石うすで挽くことから始まる。会の発足は、講師を務める福原崇さん?が、4年前そばの種を蒔いたことから始まる。「収穫したそばは大した収量ではありませんでした。でも、せっかくの新そば、打って近所のオバチャンたちと食べようと思い、プロのそば屋に習う公民館主催のそば打ち教室に参加しました」と福原さん。教わった江戸流のこね方は、最初カンタンに思えたが、粉の状態や気温などの違いで失敗することも多く、初心者にとっては難しかった。「だれでも失敗なく打てる田舎のおばあちゃんの打ち方を教わりに、福島まで泊まりがけで何度も通いました」と、こね方は田舎風、のし方は江戸流という独特のそば打ち法が編み出されていった。
 一方、石材業を営む福原さんは、粉も自分で挽きたいと、茨城の伝統工芸士に石うす造りを学び、そば屋に足を運んでうすの目立てを研究した。始めたら、とことん極めるのが福原流という。
 自ら育てたそばを、自分で挽いて、打って、味わう。この楽しみを皆で共有したいと、そばを栽培するために借りた畑の地主やその仲間が集まってサークルを立ち上げたのが3年前だった。以来、メンバーで種をまき、収穫の作業をしながら、月1回のそばうちを楽しみに集まる。トチの木をくり抜いたこね鉢は、福島のおばあちゃんが使わなくなったからと譲ってくれたもの。「昔は米がとれない所で食べたのがそば。どんな品質の悪い粉だって、打った。ムダにしない暮らしの知恵が、だれが打っても失敗しない方法を生み出した」と、湯を使って最初からまとめあげるこね方を福原さんは、会員に伝授する。
 そば打ちで難しいのは、のして広げること。そば粉100%となると、経験者でも難しい。メンバーは、麺棒を手にそばと真剣に向き合う。切りは、初心者でもきれいに揃う便利包丁を使う。調理室に、出汁をとるいい香りがしてきた。みりんと醤油を寝かした本返しを出汁で割ってそばつゆを作る。「良いそばも、つゆ次第。昆布、本鰹、さば節等を使う本格的な出汁のとり方を業界のプロから教わりました」と、女性メンバーが中心となって、ざるとかけの2種類のつゆを用意する。
 現在、会員は30〜60歳代の15名。今回が4回目の参加という男性は「打って、食べて。おみやげまであるので、家族も楽しみにしています」。「そば栽培から手がけるサークルがあると聞いて1年前から参加しています。わが家に来客があると、手打ちそばでもてなすことにしています。何よりのごちそうと喜んでくれます」。「美味しいそば屋さんを探すのが私の趣味でしたが、ここでそばを打つようになって、なかなか見つからなくて」と、苦笑する女性メンバー。
 挽きたて、打ち立て、ゆでたて。会では、身近な食としてのそばを追求する。仲間と収穫した新そばを打つ楽しみは、さらにそばを味わい深いものにしているようだ。(国)

活動日/毎月第4日曜日 9〜15時
場 所/三和コミュニティセンター調理室
会 費/入会金1,000円、月会費1,000円(材料費別)
問い合わせ/福原 TEL/36-0535
問い合わせ/木村 TEL/36-2689

講師の福原さん(右)

  



(C)City Life