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NO.97

― 陶友 ―(袖ケ浦市)

 土と語り火と向き合う
   唯一無二の作品を造る楽しみ

メンバーそれぞれ都合のつく時に集まって作る。制作日、おじゃましたこの日の参加者は武本さん、佐々木さん、龍崎さんが作品作りをしていた

  袖ケ浦市蔵波台の住宅街にある『陶友』。ここで陶芸歴15年の曽田章義さん(64)と、女性6人、男性2人のメンバーが陶芸を楽しんでいる。職業は主婦や会社員などで、皆さん市原市・袖ケ浦市に在住だ。先生役の曽田さんは「私は退職後の余暇にと陶芸を始めました。陶芸は生半可ではできないところがいい。土練りから成形、焼きまで奥が深い。何事も、ある程度行き着くところまでやらないと気が済まない性格なので、陶芸は(定年後の趣味に)ぴったりでした」。
 曽田さんの制作場でもある『陶友』では、窯焚きのある年4回(※変更あり)にあわせ、皆さんが制作に集まる。まずは、土の中の空気を抜くため、ひたすら練ることから。ここでは作品作りの決め事はなく、各自思い思いに仕上げていく。
 年4回の窯焚き。実は、曽田さんの知り合いで、蔵波に窖窯と登り窯を持つ菅根仁一さんの厚意で、作品を本格的に焼いている。1日で焼けるガスや電気を使わないこの窯は、薪を使って三日三晩、つきっきりで火の番をしなくてはならない。そこまでして薪にこだわるのは?「1000℃を越えるとマツの灰が陶土の表面で溶け、いい味のある模様を出すんです。釉薬をかけないで焼く『焼き締め』には最適です」と曽田さん。本来は燃料にマツのみを使うのが理想だが、間伐材を使うとあって、必要量の確保が難しい。そこでスギなどで800℃まで上げ、以降マツで1250℃まで上げるそう。とはいえ寝ずの番はかなりの重労働。そこで窯焚きは、同じく趣味で陶芸を楽しむ菅根さんはじめ、他の窯利用者と協力して作業する。
 窯焚き中におじゃました日は、窖窯での第2日目。ちょうど曽田さんと『陶友』の女性陣3人が火の番をしていた。「力仕事もあるけど、とっても楽しいですよ。3人とも4年前にほぼ同時期に始めました。ここ(陶友)では、作品を自分の好きなように作れるのもいいですね。窯焚きも最初は、レンガや土でできたこの窯に感動しました。薪ならではの焼き上がりがとてもステキ。でも窖窯などは山奥にあるイメージだったから蔵波にあるのはちょっと意外でした。作品は、まだまだ玄人さんから見ると『こんなもの』と言われそうですが、自分のは多少いびつでも愛着がわいて(笑)。ひびが入ったものでも、かけらを鉢植えの土隠しに使ったりして、物を無駄にしなくなりました。それに焼き締めの花器は素朴で、野の草花がとても合う。今まで気にとめなかった周りの自然にも興味がわくようになりました。陶芸を始め、生活に楽しみが増えました」
 無心に土をこね、燃えさかる火と向き合い作り上げる陶芸。男女問わずに引きつける魅力いっぱいのようだ。(野)
月会費/なし
陶土代400円/kg
※窯焚き時、1000円/kgと作業の手伝いを

曽田章義さん
TEL.0438-62-5207
(左から)遠藤さん、武本さん、鈴木さんが窖窯前で火の番の最中 皆さんの自慢の一品。やはり焼き締めが人気 陶土のなめらかな感触が心地良い。「天気の良い日は乾燥が早いので、手早く作ります」
先生役の曽田さん

  



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