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NO.98

― かるがも蕎麦の会 ―
(茂原市)

 職人技・江戸流蕎麦の打ち方

 無類の蕎麦好きが集まり毎月1回、蕎麦を打つ会がある。
 講師の中山勝さんとその後をついて歩く会員をかるがもの親子に見立て、会の名前は『かるがも蕎麦の会』(中沢満会長)。きっかけは一昨年の年末に自分の手で年越し蕎麦を打って食べようと、中沢さんの元同僚だった中山さんに指導をお願いしたことから。
 3カ月6回の特訓で何とか年越し蕎麦は打てたが、中山さんが打つ見事な蕎麦に感動し、引き続き中山さんから指導を受けたいと、正式に会を発足した。中山さんは在職中からの趣味で、江戸流の蕎麦打ちサークルに入会し、今では『全麺協素人そば打ち段位認定大会』において、同協会が認定する段位の資格を得ている。
 会員は20名ほどで、ほとんどが口コミで集まった定年退職者と主婦。
 最初は中山さんがお手本を示し、その後それぞれが自分用の蕎麦を打つ。中山さんが打った蕎麦は最後に参加者全員で試食し、蕎麦談義を行うためのもの。
「江戸流の蕎麦打ちとは3本の麺棒を使い、丸くまとめた蕎麦を四角に伸ばし、細めに切るのが特徴です。四角に伸ばすのは、たたんで切る際にロスがなく長さが一定になるからです。厚さ1.5ミリにのした蕎麦を包丁で切る時、切り幅を1.5ミリ位にして一人前が約120グラムになるようにします」と中山さん。
 麺台は幅が90センチ。伸ばす棒はいつもだいたい85センチ。蕎麦粉の量で長さが変わる。麺棒は1本がのし棒で、2本は巻き棒。段位認定大会では蕎麦粉をこね始めてから約10人前の蕎麦の束を作るまでの40分以内と決まっている。
「蕎麦粉、つなぎの小麦粉、水と同じ材料を使っていても、打ち方によって蕎麦の味も変わる。何度打っても中山さんの打つ蕎麦には近づかない。奥が深く、またそこが楽しい」、「どんな蕎麦でも家族が楽しみにしているので張り合いが出るし、打ちたて、ゆでたては店で食べる蕎麦より絶対おいしい」と参加者。 
 ほとんどの会員は家でも時々蕎麦を打つというが、特に蕎麦粉や水にはこだわらないのが気楽に長続きする秘訣だそうだ。
 試食会では大きめの鍋にたっぷりの湯を沸かし、中山さんが打った蕎麦を1人前ずつ茹でる。特に役割があるわけではないが、自分の蕎麦を打ち終えた会員が蕎麦を茹でる手伝いをする。かき混ぜたり差し水はせず、茹で上がった蕎麦を手早く、水で洗い、できれば氷水にさらす。こうすることで蕎麦が締まり食感が良くなるという。
「まず、つゆにつけずにそのままの蕎麦を食べ、味をみて下さい。薬味は蕎麦の味が分からなくなるので、できるだけ少なめに。そして、蕎麦つゆに一寸だけつけて」とは、中山さんの蕎麦の楽しみ方。
 最近は蕎麦を打つだけでなく、麺切り台を工夫して動きにくくしたり、切った蕎麦を入れる木の箱や蕎麦ちょこを作ったりと、道具や用具にこだわる会員も多くなった。試食会でのお喋りも魅力と話す会員も多く、「麺台はホームセンターで合板パネルを半分に切ったもの」など、有意義な情報交換もされている。
 今年1月には中越地震災害復興チャリティー協賛バザーを行い、会員らが打った蕎麦を販売し、その売上金を寄付した。販売するほどの蕎麦は打てないと考えていた会員も「おいしかった」という声が返ってきて自信がついたと話す。
 将来は中山さんの知り合いの「蕎麦打ち名人」を講師として招くなどの計画もあるという。(大谷)

中沢満さん
TEL.0475-23-0679
講師の
中山さん

  



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