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10月22日(土)、市原市役所前広場で開催されたリサイクルフェアに、おもちゃ病院が開院した。あいにくの雨にもかかわらず、受付には列ができた。6月と10月、年2回の環境フェアに、おもちゃドクターたちはボランティアで往診にやって来る。
ひらがなの名札にチェックのエプロン姿。持ち込まれたおもちゃの治療に取り組むドクター6名は、全国おもちゃ病院連絡協議会千葉支部の会員たち。七つ道具が収められたカバン持参で、県内各地からかけつける。皆、協議会が認定したドクターたちだ。「子どもが好きで、おもちゃが好きなら、おもちゃドクター養成講座を受講すれば、だれでもなれます。現在、千葉支部に登録しているドクターは28名です」と、満面の笑顔で話すのは全国おもちゃ病院連絡協議会の副代表であり、千葉支部代表の嶋田弘史さん(67)。「先生がいるから、私たちは安心して活動できる」と、会員からの信頼も厚い嶋田さんは、現場でもおもちゃドクターたちの指南役となる。
「5年前、テレビでおもちゃ病院の活動を見て養成講座に申し込みました」「自分の技術がお役に立てるならと、受講したのが活動のきっかけです」と話す会員たちは、皆嶋田さんに学んだ人たちだ。「私自身、おもちゃが好きだから何十年間も続けられています。戦中戦後のモノのない時代、遊び方やおもちゃの作り方を教えてくれたのは近所のおじさんたちでした。その時の感謝の気持ちがこのような活動につながったのだと思っています。メンバーには素晴らしい技術を持った方々がいます。おもちゃだけでなく、活動を通じて人の心もリサイクルしているようです」と、嶋田さんは語る。
平成8年、各地のおもちゃ病院をネットワークして全国おもちゃ病院連絡協議会(松尾達也代表)が発足した。7年後の平成15年に千葉支部を設立以来、市原で開催される環境フェアで活動する。「現在、千葉支部が開いている定期的なおもちゃ病院は、浦安、市川、船橋と、県北部が中心となっています。身近におもちゃ病院があれば、子どもたちのおもちゃへの思いも変わってくると思いますし、会員の生きがいづくりの場にもなると考えています」と、会では県内各地にだれでも気軽に訪ねることの出来るおもちゃ病院を開設したいという。
市原地域のリーダーとして期待されているのが、袖ケ浦のメンバー阿部光男さん(74)だ。少年ならだれもが憧れたことのある鉄道模型Nゲージを製造販売する会社に技術者として70歳まで勤めた。「退職後、新聞でおもちゃドクターの養成講座を知り、仲間づくりの思いで参加したのがきっかけです。最近のおもちゃはICチップを使用したハイテクなものもあり、専門知識が必要なものも多くなっています。メーカーとの連携や手に入りにくい部品も仲間同士で情報交換できるので、大変助かっています。同じ症状でも原因は様々。嶋田先生からは、すぐ処置できる軽症なのか、入院が必要な重症なのか、見極めが大事だといつも言われています。治すのはおもちゃですが、何よりそれを使う人の気持ちを尊重しなければなりませんので、私にとっては毎回勉強です」と話す阿部さんは、できるだけメンテナンス法などのアドバイスもするようにしているという。
おもちゃは作るものではなく買うもの、壊れたら治すものではなく捨てるものになってしまった今、活動を通じて子どもたちのモノを大切にする気持ちを育みたいという。「おじさん、すごいね」という言葉で、苦労はすべて帳消しとなる。おもちゃに新しい命を与えるおもちゃドクターたちにとって、子どもたちの笑顔が何よりの報酬という。(国)
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