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今年5月、市内農家の女性たち27名が集まり、食に学び、食を伝える『市原ドリームレディ』の活動がスタートした。夢と誇りを持てる食づくりの思いを込め、ネーミングした。メンバーには、自家栽培や地域で生産された農産物を使って加工事業を起こしている女性も多い。今年最後の加工伝達研修会となったトマトケチャップ作りを訪ねた。
作業は、冷凍の完熟トマトの皮むきから始まった。「ほら、冷凍トマトは水に流しながらカンタンにむけるのよ」と、講師はメンバーの大網初江さん。10月、愛知で開催された生活研究グループの全国大会で学んできたレシピだという。「メンバーの中にはケチャップを加工品として製品化している人もいますが、今回はひと味違うレシピに学ぼうということになりました」と話す。師走の忙しい時期と重なったが、12名が参加した。全てを学ぶ目的で、大鍋ではなく、それぞれ5班に分かれての作業となった。
使用するのは、旬の時期に熟れ過ぎて出荷できないトマトを冷凍保存しておいたもの。「食を見直す中で、もったいない余剰野菜を何とかしたいと活動してきたアグリライフ市原の活動がベースになっています。昨年、長い活動に幕を閉じたことを残念に思った若い世代からの提案で広く参加を呼びかけ、ドリームレディができました。皆さん学ぶ場を求めているのだと実感しました。うれしかったのは、声をかけたら即これだけのメンバーが集まったことでした。食の知恵袋でもあるアグリライフ市原のOBも講師として応援してくれるので、大変心強い思いです」と話すのは、伊場美津子さん。食を伝えるのは私たちの役目と会長を引き受けた。会員の年齢層は30〜60代と幅広い。
ざく切りにしたトマトはタマネギ、ニンジン、ニンニク、ショウガ、ローレル、赤トウガラシと共に煮込み、ミキサーにかけて再び火にかける。「焦がさないよう、分量が3分の1になるまで煮詰めてから、調味料と香辛料を入れてください。目安は、水にケチャップをたらし、散らずにポトリと落ちるくらいです」と大網さんは指導する。そういえば、温度計などなくても衣を落して天ぷら油の温度を知る方法や、鉄板の上に水を転がして表面の温度を見る知恵を昔の主婦は皆持っていた。「料理は伝承です。作って食べて、自身で味わう体験が必要です。話だけでは味は分かりません。だから、私たちは実践を大事にしています」と伊場さん。手作りのトマトケチャップは、香りの良いピリリとした大人の味に仕上がっていた。
ケチャップを作るスタッフとは別に、参加者の昼食を用意しているグループがあった。作っているのは、具沢山の味噌汁に皆が持ち寄った具材で炊き込んだ水稲新品種のちば28号。来年から一般栽培が始まる話題の県オリジナル米だ。「全てが学びです。メンバーが持ち寄る料理も皆の楽しみであり、情報交換なのです」というように、テーブルには自慢の漬物やフルーツが並んだ。
昼食も早々に、出来上がったトマトケチャップを煮沸消毒したビンに詰め、さらに加熱して中の空気を抜いて常温で保存する方法が参加者に伝えられた。「私たちは先輩から教わったことを次の世代に伝えているだけです」。伝統の食にふれる機会が多い年末年始は、母から子へ、姑から嫁へ、家庭での食伝承の良いチャンスだとも話す。今後は、自分たちが培ってきた知恵や技術を活かし、食育活動にも取り組みたいという。 (国)
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