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NO.113

―木彫(もくちょう)
 サークル『ウッドアーツ』 ―
(千葉市緑区)

 
 1枚の板から
 マイインテリアグッズを

 たしか、午前9時からだと聞いていたが?木彫サークル『ウッドアーツ』の活動日である月曜日に、鎌取コミュニティーセンター内の一室を覗いたが、2、3人しか人がいない。
「一応、9時から正午までとはなっているけれど、10時から来る方もいます。皆さんの都合もあるでしょうし、自由なのよ」と、おっとりと笑顔で話す講師の古川瑠美さん(前列中央が古川さん)。近隣の市原市市津と千葉市誉田で古川さんが講師を務める木彫サークルの参加者数が増え、鎌取コミュニティーセンターができたことから、同館でのサークル発足となった。古川さんのおおらかで、面倒みがよい指導がサークルの人気理由だ。
 現在、メンバーは40代から50代の女性9名だが、講師の古川さんは「未経験の方はもちろん、男性も参加OKですよ。他の教室でも、単に木工がやりたいといらした男性方が、彫る楽しみや彫り上がりに満足して通ってきています」と話す。メンバーの大半が未経験で木彫を始めた。そのひとりは、「昨年の文化祭で展示作品を見て、自分もやってみたいと思いました。手芸は好きだったし、フラワーアレンジメントもやっていて、とにかくキレイで実用的なものを作りたかった。この1年で作ったものは、体験の時のリモコンラックとお盆。今は玄関ホールに飾る壁掛けレリーフを制作中です」と言う。
 とにかく「自分の欲しい物、使いたい物を彫りましょう。楽しく急がずに」というのがモットーのサークル。とはいっても、いきなり初心者が技術的に難しいものに取りかかるのは無理。まずは、彫刻刀の持ち方から始め、ビギナーは果物や花などの小品のレリーフから取り組み、お盆や楊枝入れ、蓋付きの小箱を、そして壁掛け式の一輪ざしなど組み立てて完成するものをと、難易度の低いものから順を追って制作する。
 ブローチ等のアクセサリー、鏡、ティッシュ箱、時計、額、電気スタンド、コート掛け、マガジンラック付きのテーブル、椅子等々。この春、開催した発表会では大小様々な作品が展示され、多くの来場者の目を引いた。どれも木彫ならではの温かみと安らぎを感じるものだ。
 図柄は古川さんが、絵を描き図案化したオリジナルのものを使うが、「それぞれのお家に合うものを。どこに飾るかも聞き、かつ、その方の技量も考慮して、デザインを多少変えてあげたりもします。同じ図柄でも彫る人によって出来上がりは違う。ゆったり彫る方、きっちり彫る方様々ですが、どのように彫ってもよいのです。上手い下手は関係ない。すべて、その方の持ち味となりますから。木彫は時間がかかるので、コツコツやる根気と継続が大切です」と古川さん。
 木彫を始めて最初にぶつかる壁は、立体感と陰影だという。絵画であれば、これらを色で表現できるが、木彫だとそうはいかない。彫りの技術の深さで表現しなければならない。1枚の板から立体を演出するのだ。彫りすぎても修復できない。だからこそ彫る前にイメージしたものが思い通りにできた時の嬉しさは、たとえようもないとか。
 約15年のキャリアを持つベテランメンバーの野本さんは「手先の仕事が好きで、陶芸や洋裁もやっていたけれど、木彫ほど長く続けてこられたのは、古川先生の魅力が大きいです。最初、先生の作品を見た時、生き生きしているのに驚きました。その技術の高さや、センスの良さ、そして先生オリジナルの図案をわがまま聞いてアレンジして下さったり、鉋を削ったり穴あけもやって下さる頼りになるところも有難いですね」と、ニッコリ。
 制作工程は、図案をトレーシングペーパーに写し取り、カーボンで板に写す。これを彫り、彫り終えたら必要な部分だけ紙ヤスリをかける。そして下塗りをし、木彫オイルで艶出しをして完成。
 必要な道具は、彫刻刀5本セットだけ。あとは持ち運びの時に作品を包み、制作時に作品の下に敷くためのキルトなどの布(ぶつけても傷つかないようにキルトを選ぶそう)。
 使用する板は、下駄などに使われる朴の木。「素直でいい。桜だと木が暴れ、ねじれてしまうのです」とのこと。
「『動』のスイミングをやっているんで、『靜』もやりたいと始めた」、「きっかけは自分の好きな絵を入れたフレームが欲しくて」、「色をつけても素朴な出来上がりがいい」、「何も考えずにいられる貴重な時間。夢中になり集中できる時間を持てるのが幸せ」と、メンバーの皆さんは口々に感想を述べる。時にアドバイスを求め答える会話が聞こえたり、笑い声も上がるが、無心に彫る時間は静かに流れている。
『見学』と『体験』大歓迎ということなので、興味を持った人はお気軽に。
 5月からの活動日は毎月第1・3月曜の9時から正午まで。入会金なし、月会費3千円。(材料費は別途必要)。随時入会可。活動場所は千葉市緑区鎌取の鎌取コミュニティーセンター内。(内田)

問い合わせ/中村さん
TEL.0436-52-2267

  



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