松尾町では、毎年3月の第2土曜日、稲荷神社(本柏)の例祭で行われる里神楽を皮切りに、大宮神社(折戸・4/5)、末廣神社(松尾・7/25、7/26)、金刀比羅神社(琴平・8月第1日曜)の4社で奉納される。
江戸神楽の影響を受けた里神楽が伝えられていて、4社とも平成8年に町の無形文化財に指定されている。この里神楽が長い歴史を乗り越え、今もなお、それぞれの地区の保存会の人達の活動で伝承されているところから、松尾町は『神楽の里』と呼ばれているのだ。
今回紹介するのは稲荷神社の神楽。言い伝えによると、その創建は平城天皇の大同2年(807年)。その後、明治30年代の暴徒による社殿の焼失と、昭和38〜51年の後継者難による2度の神楽の中断を経て、昭和52年に本柏神楽保存会(会員は330代〜60歳代の約30名)を復活、現在と同様の十二座の舞いが蘇ったのである。
「何度かの盛衰を繰り返しながらも現在に伝わってきた里神楽。この貴重な伝統芸能をもう二度と絶やすことがないように、子どもや若者達にも教え、受け継いでもらいたいと考えている」と話すのは、保存会長の越川茂さん(50)。
この日の奉納神楽は、12時半から約2時間。第1座の『翁の舞』から第12座の素戔鳴尊が八岐大蛇を退治する『注連切舞』まで、日本神話を主に演じる生き生きとした描写は見る人の心を打つ。かと思えば、ひょっとこと恵比寿様が酒盛りをしながら釣りを楽しむ様子に、思わず笑ってしまう。神に捧げる敬虔な舞いながら、どこかに演者の暮らしの香りが漂うところが里神楽の魅力といえよう。
なお、『注連切舞』で舞台に張られた注連縄を持ち帰ると、願い事が叶うといわれている。また、当日は境内で焼きそば、焼肉等のサービスがあり、豪華景品が当たるビンゴゲームも行われるという。(井上)
松尾町社会教育課
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