NO.7

7・暮らしの中の民具の巻
 大多喜町

 昔から人の手足となり、生活を向上させてきた暮らしの中の道具類。これらを保存し、後世に伝える活動を大多喜町文化財保護協会が行っている。
 同協会は、西畑小学校(旧田代分校)に保管されている民俗文化財から、50点を厳選した解説書『くらしの中の道具50選』を2005年に発行した。
 編纂にあたった同協会の和泉貞夫さん(73)は「約200点の分類や整理を進めるうち解説書を作ろうという事になりました」と話す。現在、大多喜駅前の観光本陣に5点を展示中。自ら民家を廻って集めた他、町民から寄付されたものも多い。
「多くは江戸時代から昭和40年頃まで使われていたものです。大多喜町は昔から農林業が盛んな地域でしたが、高度成長時代を過渡期に農作業はどんどんとオートメーション化していきました。今では殆ど顧みられませんが、先人の知恵にも素晴らしいものがあるという事を、道具を通じて学んでもらえればありがたい」とのこと。
 今も家庭菜園や水田の畔塗りに使用する『鋤』、店の象徴として大切にされた『暖簾』など、現代に根強く残る道具も数多く掲載。農具の中では、和泉さんは特に『上原ウーガ』に愛着がある。
「上原村(現大多喜町)の三上七五郎さんが馬耕犂を小型に改良したもの。性能が良く、房総南部一帯で広く使用されました。
 この冊子を読んだ人が、普段身近にふれる道具の成り立ちやいわれに感心をもち、道具への見方が変わってくれれば嬉しい。」と和泉さん。自らの生活信条をこう話す。
「文化財の保護活動を進めてきて、地域社会の奥深さと先人たちの偉大さを感じます。この活動を続けていくことが自分を育ててくれた社会への恩返しであり生きがいです」(石山)

大多喜町文化財保護協会
TEL.0470・82・3010



 



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