『新緑の中でいろいろな葉っぱを見つけよう』6月の第1土曜日、市原ネイチャーゲームの会主宰の自然体験プログラムに、大人と子ども合わせて30名が集まった。五感で自然を感じ、心と身体で自然を体験するネイチャーゲームは、1979年アメリカのナチュラリスト、ジョセフ・コーネル氏によって発表された。1980年代、日本ネイチャーゲーム協会によって日本に紹介され、普及していった。現在、県内7地域で指導員が活動する。
午前中の会場となったのは、八幡にある青少年会館側の緑地。「わざわざ遠くまで出かけなくてもこんな身近な所に豊かな自然があったんですね」と、参加者はおどろく。グランドの周囲は木登りもできるほどの大きな木が茂る緑地となっている。自然に関する知識の有無や、年齢に関係なく楽しめるネイチャーゲームは、現在100種類余り。午前中は、自然の中に置かれた人工物を見つけだす『カモフラージュ』と、形やにおいなど、与えられたテーマで葉っぱや木の実、虫などを林の中から見つけ出す『宝探し』のふたつ。
4班に分かれて、ゲームが始まった。何度も茂みをのぞき込んでは「見つけた!」と、繰り返し観察する子どもたち。宝物リストを見ながら、林の中で発見した宝物をバンダナの袋に入れていく。子どもたちの質問に、一つひとつていねいに指導員は答える。「心と体で自然を体験することで、自然と自分が一体であることに気づくことがネイチャーゲームの目的です。大人が子どもに一方的に知識を教えるのではなく、ともに自然を感じ、自然から得た体験や感動を分かちあう姿勢を大切にしています」と話すのは、市原ネイチャーゲームの会代表の中村和子さん。
「この葉っぱ、いいにおいするよ」「不思議な形、これなんだろう」輪になって互いに集めた宝ものを見せあう。ネイチャーゲームでは、ひとつのゲームの最後に必ず互いの自然体験を分かちあう。見つけてきた綿毛のようなポプラの種から、話はいろんな種の不思議の話になる。指導員の語りかけに「それ、学校で見たことあるよ」と、子どもたちは目を輝かせて答える。
広場で昼食を囲んだ後、向かいの飯香岡八幡宮に移動。午前中に集めた葉っぱを使って遊ぶ『木の葉のカルタとり』と自然の知識や学んだことをゲームで復習する『フクロウとカラス』。大人も子どもと一緒になってゲームに熱中。境内に響く子どもたちの歓声に「外で遊ぶ子どもの声を久しぶりに聞きました」と、散歩する人も楽しそうな様子を見守っていた。
「楽しい。汗いっぱいかいたし、こんな大勢で外で遊ぶのも初めて。家で友だちと遊ぶ時は約束してからだし、外で遊ぶ時はお母さんの許可をもらってからだから」「おにごっこは近所でもするけど、こんなゲームは初めて」と子どもたち。親は「以前参加して楽しかったので、また参加しました。今日ここで覚えたゲームは、家庭や子ども会などでもできそうです」「学校が毎週土日休みになってから、有意義な過ごし方をと思い、近場で経費のかからない企画を探しては参加しています。継続的に参加できるこのような企画はうれしいですね」と話す。
町中の公園や、学校の校庭でも手軽にできるネイチャーゲームは、学校、地域、あらゆる教育現場で積極的に取り入れられている。市原ネイチャーゲームの会では、教えるより感じてもらおうと、季節ごとに身近な場所で自然との出会いを提供する。現在、会の指導員は16名。互いの会費で運営費を賄っているが「活動そのものが楽しいから私たちも続けられる」と指導員は話す。次回は10月を予定している。 (国)