大多喜町は、『徳川四天王』の一人、本多忠勝が天正18年(1590)に十万石で入府、築城して以来、300年にわたって栄えた城下町。昨今の町の姿には、その誇らしい歴史や伝統を大事に後世に伝えたいと願う、住民の気風を感じさせる趣がある。この町民達の思いを受け止めて、町が推進する『街並み景観整備事業』(国交省認可の10年計画の補助事業)は今年で7年目。その成果は『房総の小江戸・大多喜』という通り名を年々県内外に広めている。今回は、『町民による町民のための魅力あるまちづくり』の舵取り役である大多喜町・田嶋町長の出番だ。(井上)
★まずは『我がまち自慢』からどうぞ。
「町民の誇りは、歴史と自然が調和した町であること。『城と渓谷の町』という、もうひとつのキャッチフレーズが物語るように、町のシンボルは白亜の『大多喜城』。往時の本丸跡に復元された鉄筋コンクリート造り。天守閣は三層四階建て。城内部は県立総南博物館になっている。すぐそばに県指定史跡の『薬医門』と日本一の『大井戸』がある」
★そして江戸情緒が漂う、城下町通りの建造物群の風情も。
「この『街並み景観整備事業』は、町民との協働なしには推進できなかったと思う。中でも、企画の立案に参画している『房総の小江戸・大多喜をつくる会』(渡辺功会長)の有識者会員の尽力は大きい。国指定重要文化財の『渡辺家住宅』は、嘉永2年(1849)に建てられた商家造りの家。国の登録有形文化財の『大屋旅館』と『豊乃鶴酒造』は、前者が江戸時代から旅籠として創業。後者は明治7年から銘酒『大多喜城』の醸造元。城下町通り沿いに点在する、これらの江戸や明治の古い商家が残る街並みの中をのんびりと歩くのも一興。整備事業で近年新たにできたのは、街並みの中心として江戸や明治の頃の商いに関する資料を展示した『商い資料館・陣座公園』等々。大多喜駅の向かいに建つ町の観光案内所『大多喜町観光本陣』も瓦屋根となまこ壁の外観が印象深い。また、町のあちこちに設けられた常夜灯が城下町の雰囲気を更に盛り上げている」
★養老渓谷の景観美も加えたい?
「関東で一番最後に紅葉が楽しめる所として知られる景勝地だ。春夏は断崖絶壁と深い木々が織りなす渓谷の自然美が見事。それにラジウム鉱泉と天然ガスを利用した温泉郷で心身のリラックスができる」
★町のイベントが個性的といわれる理由は?
「イベントには住む人も楽しく、よそから訪れる人にも快適性や文化の香りを感じさせるような文化性、更には他のどことも異なる地域としての個性が求められる。GWの『大多喜世界レンゲまつり』は大多喜ならではの春の風物詩。9月の『大多喜お城まつり』は町最大の催し。また、自然豊かな大地の恵みの直接収穫も『食の祭り』。町を代表する特産品の『タケノコ狩り』(4月)には近隣から大勢訪れる。今、新たな補助事業として準備中の猪肉の解体施設も逆転の発想。猪の大量発生による農作物被害の打開策で、関東初の試み。猪料理の新名物が誕生する」
★ご自慢はこの辺にしていただいて…。
「いやいや、まだまだ(笑)。お米の美味しさも抜群。レンゲまつりの後の田で有機栽培をするレンゲ米(仮称)は食味計に出る数値が魚沼産に引けをとらない。政策でも、県下初の公立保育所の日・祝保育を実現している」
★ところで、ご趣味は?
「昔、野球。今、ソフトボール。何よりのリフレッシュ法はカラオケ。ど演歌は何でもこいだが、おはこは北島三郎の『橋』『峠』」
★健康法は?
「朝5時過ぎに起床。早足の散歩を30分した後、腰痛体操をして食事、登庁という日課」
★座右の銘は?
「そんな堅苦しいものはない。頼まれて色紙に書くのは、好きな言葉の『誠実』」