東金市にある三宅孵卵場(三宅英雄社長)は毎月50万羽のレイヤー(採卵型の鶏)のヒナを生産する。53年前、孵卵機1台から始めた事業が今では敷地面積3千坪、温度や湿度をコンピュータで制御する最新型の設備を備える会社と成長した。
「規模は小さいが、設備は世界一」と専務の三宅孝雄さんが自慢するだけあり、建物は気密性が高く、建物全体の空気の流れが一方にしか流れないワンウェイ方式。
全体をオゾン殺菌された工場に入るには、シャワーを浴び殺菌された白衣に着替えなければならず、工場内の移動も2カ所のエアーシャワー室で細菌や埃を落としてから。工場内にどんな菌も侵入させない徹底した管理体制だ。
工場内に運び込まれた種卵は殺菌され、孵化の3日前にワクチンを施す。「生まれてくるヒナは半分がオスで、そのワクチン代が無駄になりますが、きちんとした抗体を持つヒナができるので病気に強く、養鶏家の方に安心して購入していただけています」と三宅さん。
生まれたヒナはベルトコンベアで鑑別室に運ばれ、鑑別士がオスとメスに分ける。最近は羽の生え方で鑑別できるそうだが、種類によってはヒナの肛門を調べる従来の方法が必要なので、鑑別士の養成にと、試験を受ける人が鑑別の練習ができるコーナーも設けている。その後メスだけが自動カウンターで数えられ、コンテナに詰められ保管室にはいる。ここまで全てオートメーションで作業が進む。そして保管室の横は発送専門のトラックスペースがあり、自社のトラックで全国に運ばれる。孵化からトラックに乗せられるまで、ヒナは一方方向にしか進まないのも細菌の感染を考えての事だそうだ。
サルモネラ、家禽ペスト、また昨年の鳥インフルエンザが流行した時でも「うちのヒナは全く心配なかった」と話すのは、徹底した衛生対策があったからこそ。今後も「安全、安心、強健なヒナ」を提供し、養鶏産業の発展に貢献したいと三宅さんは話している。(大谷)