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夢と誇りを持つ農業者の生き甲斐
『無農薬・無化学肥料』で、
安心できる美味しい農産物づくりをめざす!

室住 圭一さん
(36歳・東金市在住)

 室住さんは、東金市松之郷にある直売所『しいの木』(土肥恵子代表)の組合員で、無農薬・無化学肥料の栽培にこだわる米や野菜の生産者。東京生まれで、後に移り住んだ千葉市内の高校を卒業後、音楽専門学校に進み、ベース奏者のプロを目指したが、その道の厳しさに断念。人生の進路を決めかねていた。22歳まではフリーター暮らし。ビルやパチンコ屋等で派遣清掃夫として働いていたが、一念発起、海外ボランティアを志した。
 だが手に職はない。何らかの技術を身に付けなければと、23歳の時に選んだのが農業研修。受け入れてくれたのは人口約2千人という過疎地の島根県那賀郡弥栄村の農家。約1年半、昼間は農作業(有機栽培)、夜は書物の学習という日々。教科書にしていた『有機栽培・蘇る大地』(人間選書)という古書の「無農薬・無化学肥料の栽培こそ大地の恵みを産みだす法則」との記述に心を引かれ、『農業こそわが歩む道』と定めたのだった。 
 農業指導ボランティアとしてタイに飛んだのは25歳の秋。北部の少数山岳民族・ラフ族が住む高地の村で指導に当たった。彼らは、斜面の畑で生姜、とうもろこし、豆類等を栽培していたが、「その指導よりも滞在1年半の成果は、ラフ族との親交を通じて得た人生観の変化だった」と言う。自分の価値観にとらわれ、相手のそれを決して認めない頑固さを持つ室住さんは、彼らの相手を包み込む大らかさに触れて「柔軟な考え方」の大切さに目覚めたという。
 タイで巡り会った土肥豊実さん(恵子さんのご主人・故人)との出会いは、室住さんが東金で農業を営むきっかけとなった。帰国後、土肥さん宅に住み込みで、農事や市民運動等の手伝いをした後、29歳の春に念願の農地を手にした。現在、50アールの畑と3ヘクタールの田で無農薬・無化学肥料栽培を行い、米はコシヒカリ、紫黒米と餅米少々、野菜は冬場の小松菜、ホウレン草、白菜、等の葉物、夏場にはナス、オクラ、空心菜等を生産。販売は野菜と紫黒米を直売所『しいの木』に納品。米類は、室住さんの『安全・安心の食料生産を』という考えに賛同する人達で構成する仲間の消費者に直販している。
「農業は、金には代えられない内面的な豊かさが得られる仕事。自らの手で地を耕し収穫をすること、そこには理屈では語れない深い自信と誇りに満ちた充実感に浸れる」と話す室住さんは、今、農業を志す人達の良き相談相手としての活動を地道に行っている。
 訪れた日も、畑でタマネギの定植作業をする若者(千葉農業大学校研修科生)と定年後に農業を、と考える東京在住の高年者が汗を流していた。
「私の今日があるのは、松之郷地区の農家の皆さんのお陰。新規の農業参入者を根付かせるための努力はその恩返し」と話す室住さんだった。(井上)

問い合わせ/室住圭一さん
TEL/FAX.0475-55-5445

 



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