『フジトラ工房・大高醤油株式会社』の歴史は古く、創業は1804年。1868年には『フジトラ醤油』という商品名で販売されたという正確な台帳があることから、当時の店主を初代とし、現社長の大高和郎さんが4代目となる。
千葉県は材料になる大豆や小麦の栽培が盛んで、昔から醤油造りが盛んな土地柄。大高醤油も近隣への販売にと、こいくちやうすくちなど一般的な醤油を生産していた。しかし23年前から食物アレルギー疾患の食物除去療法用として、大豆や小麦を使わない医療用の醤油も手がけてきている。
「小児科の医師たちが大豆や小麦を使わない醤油の開発を打診してきました。リスクは多いが社会的貢献度が高い、うちのような小規模な工房だからこそできると引き受けたのが始まりです。現在、アワ、ヒエ、キビはもちろん、魚や米、アメリカのNASAで宇宙食にも取り入れらている穀物のキヌアを材料とした醤油もつくっています」と大高衛専務。
消費者のニーズにあった商品として、めんつゆやポン酢、焼肉のたれなど、醤油ベースの加工品の製造、また大手のレストランや居酒屋チェーン店のたれなども製造を委託されており、今では売上の9割が外部から委託された商品だという。
「小さいですが、社内に調理ができる開発室があり、お客様と一緒に商品開発を行っています。今後は個人向けとしても自宅で収穫した梅を持ち込んでもらい、その家独自の梅醤油をつくるなど、小回りの利く工房だからこそできる商品をつくっていきたいと思います」と大高専務。
最近では千葉県特産品のピーナッツや梅を入れた醤油も開発した。梅の醤油はクエン酸を多く含み、体に良い商品として雑誌に紹介されたほど。商品は店頭や成東町の『斉藤屋本店』、東金、成東、山武のJA『みどりの風』で購入することができる。ネット販売も可。(大谷)