大原町釈迦谷で錦鯉を繁殖・販売する『星野錦鯉養殖場』。代表の星野泰昭(66)さんが一人で経営する。星野さんは30年間、靴下製造業を営んでいたが、5年前、子どもの頃からの趣味であった錦鯉の繁殖をするため、船橋から移り住んだ。
「ここは自然の山水があり、農薬や生活排水が入り込まない土地なので気に入り、家族の反対を押し切って養殖を始めました。女房は2年間、口をきいてくれませんでした」
錦鯉といえば地震があった新潟の山古志村も有名で、国内はもとより海外に向けての輸出産業として成り立ったほど。色鮮やかな錦鯉1匹が二千万円・三千万円と桁違いの値段がつくこともあるという。
約千坪の敷地に池が大小合わせて5ヵ所。屋内の水槽には繁殖に使う親鯉が放されており、星野さんがそばに立つと近寄ってきて水面に顔を出す位なついている。赤と白の2色、それに黒が入り3色、金や銀の鯉もいる。
「その中から模様や色を考え、掛け合わせて繁殖させるのが楽しい。仕事というより道楽です」と星野さん。
5月から3ヵ月間が繁殖の時期。まず池に子鯉のえさになるミジンコを増やすことから始める。
水槽の消毒が不十分で孵化した稚魚が細菌に侵され、1日で「消えて」しまったり、池に放してある鯉がタヌキやイタチに獲られるアクシデントはあったにせよ、最初は30匹しかいなかった錦鯉が現在では500匹以上にもなる。
「どんな方にもお売りしますが、だいたい市価の半分くらいの価格設定なので、業者の人もいらっしゃいます。ゴールデンウィークに大売出しをしますが、錦鯉の他に金魚や白いメダカ、ウシガエルやアカガエルもいますのでお子さんを連れて来ていただいても楽しめると思います」(大谷)