県は平成15年5月『バイオマス立県ちば推進方針』を策定し、バイオマス(動植物から生まれた再生可能な有機性資源)の利、活用による循環型社会づくりを推進している。(株)佼和テクノスが昨年7月に開始したバイオマス・プラスチックの生産もその一環の実証事業として注目されている。
(株)佼和テクノスのコンパウンド事業部は、山武市戸田の小高い丘の上、鬱蒼とした杉林に囲まれている。その一角を占める鉄骨仕立ての製造工場では、今まで廃棄されていた杉の不用材をバイオマス・プラスチックという脅威の材料に変身させる夢のマシンが稼働中だった。このマシンは愛知県の企業の開発製品で、世界に2台しかないという希少品。導入した新技術で、杉の不用材がバイオマス・プラスチックに生まれ変わるまでの所要時間はわずか3分。コストも1キロ当たり200円台。石油系生分解プラスチックの約3割という安さ。「更に素晴らしいのは石油系生分解プラスチックと同様、簡単に型に流し込めるまで柔らかくなるし、従来の成形機使用もOKという優れ物」と言うのは事業部長の甲斐さん。事務所の応接室には、このバイオマス・プラスチック製の、本物かと見紛うほどの色つやをしたカブト虫や玩具の積木、植木鉢、チップ等の試作品が並んでいた。
この画期的なバイオマス・プラスチック誕生の背景については「山武市役所、玩具の企画制作会社等のご協力を頂いた複合的な発意の産物だ」と甲斐さん。杉の製材過程で大量に出る木の皮やおがくず等の処分に困っていた市は有効利用の策を探っていた。また、企画会社は佼和側の製品企画への熱意と試作品の評価で、カブト虫や積木など次々にアイデアを提供、商品化の道を開いてくれている。「杉の森林を見るとみんな材料に見える。その他、落花生、銀杏、芝、稲わらそして落ち葉も」と笑顔で話すのは取締役営業部長の北田さん。今後の課題は「天然素材100%で、しかも弾力性を持ったバイオマス・プラスチックを安価で製造すること。この不可能を可能にしたい」とのことだった。(井上)