■開院以来、家族の立会い出産や高校生を対象にお産を通じての性教育を推進されています。
「命の教育は家族が増える出産から始まると思います。世の中、凶悪なシーンはテレビなどで自由に見られるのに対し、生まれるシーンは映像として制限されています。どちらが子どもたちに悪影響があるか考えてみてください。お産は、感動的です。妹や弟のお産に立ち会った子どもたちは、みんな自分のお母さんを思い、感謝します。夫も大変な思いをして産む妻に感謝します。そのためにも、できるだけ良い形でお産を見せてあげる工夫は必要です」
■高校生より、もっと小さな時からということですね。
「本来、命の教育はもっと早いうちに家族の中で行われるのが自然です。原点は、生まれるということを、どう教えるかです。今の若い世代は、何もかもが早過ぎます。知り合って、妊娠して、だめにする。女性も男性も、出産ということを考えて、時間をかけて相手を知り、選んで欲しいと思います。生まれるということを家族でもっと大切に考え、伝えていかなければなりません」
■1人の女性が産む子どもの数は1.2人、少子化は進むばかりです。
「お産もそうですが、大変なのは、それからの子育てです。家族全員で新しい命の誕生に立会い、迎えるというスタートがズレていなければ大丈夫です。もちろん地域の様々な支援やシステムも必要だと思いますが、いかに父親が育児にかかわるかです。それと、問題は3人目の壁ですね」
■子ども2人という家庭は多いですが。
「男と女の2人では1人っ子とあまり変わりません。兄弟に複数の男の子、複数の女の子がいることが大事です。3人になると、子ども同士の相互作用が数倍になり、家族の中で自然に社会性が身につき、互いにしつけられていきます。3人ともなると母親も手がかけられなくなり、子どもは強くたくましくなる。社会的には少子化も防げるし、人口も増えます。3人目の効果は大きいのです。3人目を迷っている方には、産んで後悔した人はいないから、ぜひ産みなさいと勧めます。少子化対策は、3人目を産もうとする方をいかに社会が支援するかです」
■生きる力は、子だくさん家族の中で育まれるのですね。
「家族の営みは日々の積み重ねです。今世の中に起こっている様々な社会問題も、兄弟が多いことで解決できることが多いと思います。昔の親が皆、教育者として優秀だったとは限りません。子だくさんがなせる結果だったのでしょう。それに、子だくさんのお母さんは、皆さんパワフルです。社会全体のエネルギーを考えても、子どもがたくさん生まれる国がいいですね」
子どもを産み、育てることが、ますます困難に思える今だからこそ「これから始まる夢いっぱいの育児を、いいお産でスタートしてください」と、宗田院長は家族が果たす役割の大切さを語ります。 (国)