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子だくさん家族の
しあわせメッセージ

 2005年12月4日午前3時15分、三隅順子さん(40)は5人目を出産した。父親の大和久将志さん(40)と、長男の三隅一平君(13)、長女の大和久加奈ちゃん(12)、次男の三隅完太君(10)、次女の大和久沙良ちゃん(6)は、家族全員で新たな命の誕生に立ち会った。

「夫婦別姓。出産後も仕事は続ける。子どもは可能な限りたくさん。女の子が生まれたら父親の籍に、男の子だったら母親の籍に入れる」。15年前、同級生の順子さんと将志さんは、結婚する時こう約束した。第1子は、順子さんが助産師として病院に勤務していた時に出産した。第2子と3子は、大学院に戻って再び学生となっていた時に。第4子と今回は、博士号取得後、大学で学生たちに母性を教える講師となってから。
 少子化の今、子どもが5人もいる家族はめずらしい。「私の同僚にも5人の子持ちはいません。自分自身4人兄弟で、とても楽しかったし、今も仲が良いです。でも、働く女性にとって仕事と子育ての両立は大変です。私の場合、看護という女性が多い職場だったことや、出産や子育てがそのまま仕事に活かせるという点で、周囲の理解にも恵まれていました。そして何といっても夫のサポート、友人や両親の協力があったので産めました。それに、上のふたりは下の子たちの面倒を見るのがとても得意です」と、順子さんは家族を紹介する。
 中2の一平君と小6の加奈ちゃんは、家庭の中で第2のお父さん、お母さんの役を果たし、子ども同士でコミュニケーションが成立すれば、親がいらない状況が生まれるという。「親がさせようというのではなく、互いに相手のことを考え、自然に社会性が育っています。今、学校で異なる学年同士のふれあいをさせていますが、わが家では兄弟げんかしながらもお互い妥協する方法を見つけ、上の子への接し方、下の子への接し方を学んでいるようです。私たち親は、子どもに何かをするというより、夫婦が仲良く対等にきちんと話すことを一番に考えています。大人が、どのようにしてより良い人間関係を結ぶかを、子どもに示すことが大切だと思っています」と順子さん。将志さんも「細かなことは言いません。できるだけ自主性を尊重してあげるようにしています。子どもが多いとやっかいな事も増えますが、子どもたちは1人になりたいと言いながら、食事が終わってもなかなか部屋に戻りません。みんな一緒が楽しいのです」と話す。2人兄弟だった将志さんにとって、7人家族は未知の世界。同じ兄弟でもそれぞれで興味の対象が異なるので、子どもを通して親の世界も広がる。それが5人分となると、楽しさも5倍になる計算だ。
 楽しく子育てをしている一方で「こんなはずではなかった」と、子育てに悩む母親が多い事に対し、順子さんは「夫が妻をどれだけサポートしているかが、大きいと思います。子育てもある程度、先が見えるようになると楽しめるようになります。私も今だからゆとりを持って語れますが、1人目はゆっくりシャワーを浴びる余裕もなかったように思います。そばにいる夫が子育てにどれだけ共感し、理解するかです。物理的な手伝いは無理でも、言葉で伝えるだけでも大いに違います」と、アドバイスする。4人目の出産の時、どうしても職場復帰を早めなければならなかった順子さんに替わって、将志さんは3カ月の育休をとった。
 母親にゆとりができると、1人目では「まだこんな事もできないの」と言っていたのに、3人目では「もうこんなことができるようになったのね」と言えるようになったと話す。「それに、この子におっぱいをあげられるのは私だけ。これこそ母親のしあわせです」と、ゆっくり乳房を赤ちゃんの口にふくませた。
 また「家庭は命の教育そのもの。だから命の誕生に家族全員で立ち会って欲しかった」とも話す。一平君と加奈ちゃんにとって、妹弟の出産に立ち会ったのは今回が2回目。前回、将志さんがビデオに撮った沙良ちゃんの出産シーンを、順子さんは学生たちに講義の教材として見せている。「男の子は、母親の私がどうかなってしまうのではと心配していましたが、女の子は将来の自分自身のこととしてしっかり見ているようでした」と、今回は加奈ちゃんがビデオ係を務めた。
 12月10日、退院の日。順子さんと3女の菜々ちゃんを家族がそろって迎えに来た。加奈ちゃんは「面倒をみる人が1人増えるけど、大変だという気持ちはありません。妹が欲しい、弟が欲しいと言っている友だちは、私のことを皆うらやましがります」と、菜々ちゃんを抱く手つきはとても小学生とは思えない。一平君も、満面の笑みで菜々ちゃんを抱き上げ、新たな家族を歓迎した。(国)

 



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