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御宿の町に
本格的な弦楽合奏団を
立ち上げるのが夢

 結婚後、共通の趣味である楽器演奏を活かし、病院やお年寄りの施設に出向き演奏するデリバリーコンサートを始めた藤江洋さん(40)と知美さん(32)夫妻。目標は住んでいる御宿町で弦楽合奏団をつくる事。まだ団員2人の『ファミーユ弦楽アンサンブル』だが、フランス語で『ファミーユ(家族)』を増やすべく、その目標に向かって歩み始めた。
 藤江洋さんはチェリスト。高校生の時、先輩の弾くチェロの姿に憧れたのがきっかけで大学に入学後、チェロを手にした。一方、知美さんは3歳の頃からピアノを始め、小学生のときにはヴァイオリン、その後フルートやティンパニーなどの打楽器にまで手を伸ばしたが、8年前からヴァイオリンを自分の楽器と定めた。
 結婚のきっかけは、二人がそれぞれ所属していた社会人のオーケストラの指揮者が同じだったこと。その後、洋さんの出演するオーケストラを知美さんが仲間と聴きに行き、差し入れをした時に「今度はみんなで演奏会をしよう」と盛り上がり、二人はその日から毎日メールをすることに。  
「ピアノかヴァイオリンが演奏できるのが結婚相手の必須条件」と話す洋さんの話を聞いて、「それって私のことかも」と知美さんが感じたというほど、二人の結びつきには大きく音楽が関係していたようだ。出会って初めてのデートで結婚を意識したのは、互いの人生観や価値観が近かったこともあるが、共に音楽を通して人生を楽しめると感じたから。「二人で楽しむ音楽。二人だからこそできる音楽を」と。そして出会ってから1年4カ月後の昨年3月にめでたくゴールイン。
 結婚を機に知美さんは臨床検査技師の仕事を辞め、東京から夫の実家がある御宿へ。家業である燃料店の仕事の傍ら消防団にも在籍するなど、忙しい夫の生活を支えながらも専業主婦としての生活が始まった。しかし、それまでの病院勤務という緊張感のある生活から一変した環境は、「ぼーっとして、何をして時間を費やしたらいいか分からない」不安なものとなった。
 そんな時、以前の病院関係者からの勧めで、家の近くの病院で週2回、午後の3時間の枠で超音波検査士として職場復帰を果たすことに。「現場復帰してみると、白衣が背筋をピンと伸ばしてくれるようで、生活にメリハリができました」と知美さん。その後近くに住む洋さんの母親が以前から知美さんに勧めていた音楽活動を再開。「今後はもっと仲間を増やすべく、夫婦で地元の演奏会に参加したり、病院や老人ホームで演奏するボランティアを行うことにしました」とお二人。
 洋さんは「積極的で生命力があふれている」と知美さんを評するが、時々は人間関係で悩み、落ち込むことがあるという。そんな時、深く落ち込む前に相談に乗り、励ますことで知美さんが本来持っているエネルギーが満ちてくる助けをするのは洋さんの役目。それに応えるように、「体も心も大きく、メンタルな部分のフォローはすべて彼がしてくれています」と知美さんの夫への信頼は強い。そして二人は「今後の人生をより豊かにするための最良のパートナーとして、お互いずっと努力していこう」と結婚前に約束したように、何かの行き違いがあると、これを思い出し、冷静に話し合うよう心がけているという。
 昨年の5月、初めてアンサンブルを組織し、地域のレストランで演奏会を開く前に二人でアンサンブルの名前を考えた。大学でフランス語を専攻した洋さんが提案したのは、子どもができ、仲間ができ、アットホームな家族のような関係を築きたいという願いから『ファミーユ(家族)』   
 そしてその後は月に1度か2度、お互いの仕事の調整をしながら、老人ホームや外出が困難な独居老人宅への『ファミーユ弦楽アンサンブル』のデリバリーコンサートを行っている。できるだけお年寄りの気持ちに応えたいと、演奏曲は事前にリクエストしてもらい、それを二人で編曲し、演奏するなど、手作り感のある演奏会を心がけているという。
 最近、訪問した老人ホームではスタッフも含め、お年寄りが普段は見せないような笑顔で手拍子をしたり歌ったりと、とても喜んでくれた。一人の男性は帰り際に、支えてもらいながらも玄関まで来て、何度も手を振りながら見送ってくれた。それを見て「かえって私たちが幸せな気分にさせてもらいました。こういった感動を夫婦で共感できるのは最高の幸せ。やっぱり私たちのやりたいことはこれ」と確信したという。
 最近になって将来は弦楽合奏で大曲も手がけたいと考え、演奏者の育成になるならと、ヴァイオリンの貸し出しや初心者に関しては、ほぼボランティアで指導も行っている。口コミだけで集まった6人が現在ヴァイオリンを練習中。御宿に本格的な弦楽合奏団が誕生する日も近いかも。(大谷)

お問い合わせ/藤江さん
TEL.0470-68-7211

 



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