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本当の「家族」という意味

私だけを愛してくれる人が欲しい

あけましておめでとうございます
 ひとりぼっちでは、生きていくことも存在することさえもできない私たち。シティライフの2002年のテーマは『絆・きずな』です。生きていく上で、断ち切ることのできない人との結びつきを通して、今を支え合って生きる方々を紹介します。
 元旦号では、木更津市真里谷(まりやつ)にある児童養護施設『野の花の家』の花崎みさを園長に“愛すること、愛されることの大切さ”を語っていただきました。

(本当の「家族」という意味)
 児童養護施設『野の花の家』では、親の様々な事情で大人に養育してもらえない2歳から18歳までの子どもたち40人が暮らす。子どもたちにとって、ここは2番目の家。園長の花崎みさをさんは、子どもたちから“園長ママ”と呼ばれている。


◆夫婦になるということ
 離婚、児童虐待、DV(ドメスティックバイオレンス)、家庭が崩壊するなか、子どもたちはここへやって来る。昔、児童養護施設のことを孤児院と言っていたが、親がいるのに施設で暮らさなければならない今、その呼び方はふさわしくない。「子どもを預かることになったとき、両親と話しますが、夫婦間が互いに理解できていない場合がとても多いですね」と花崎さんは話す。
 1人が2人になって社会の最小単位である家庭を築くということさえ、困難な若い人たちが増えている。複数になるには、相手に合わせ、思いやることが要求される。妥協点が見いだせないで夫婦が形成できないまま、子どもが生まれる。結果、様々な問題が発生して、育てることができなくなる。花崎さんは、両親それぞれに「あなたはどうやって育ちましたか?」と聞くという。愛情たっぷりに育ったのか、それとも愛情に飢えて育ったのか。互いの成育歴が違うことを知り、認めなければうまくはいかない。家庭の温かさを知らないで育った子どもが大人になったとき、同じく家庭が築けないことが多いからだ。
「私たちはここに来る子どもを通して社会を見ています。今の様々な社会問題の結果が、子どもたちに集約されています。それを背負って子どもたちはここに来ているのです。愛されて育ってきた私たちに“愛されていない”という実感がどんなものか想像できません。子どもがどんなに苦しんでいるかは、はかり知れないのです」。

◆親になるということ
 実父の再婚相手の継母と折があわず、父親がすぐそこにいるのに『野の花の家』に預けられた少女がいた。高校卒業後、彼女は就職して結婚した。女の子を1人産んだが、結婚生活は破綻し、今はその子をひとりで育てている。彼女が『野の花の家』にいた時、父親は面会には来てくれたが最後まで彼女を家に連れて帰ろうとはしなかったという。彼女は今でも父親を許すことができないでいる。「心も身体も使わず、心の通い合いのない親子はうまくは行きません。血縁だけでは、親子にはなり得ないのです」と花崎さん。
 義理の父親による性的虐待、母親の心的ストレス、育児能力そのものの欠落。親が子どもを育てられない理由は様々だが、父から息子へ、母から娘へ、親から子へ孫へと伝えられてきた人間関係のあり方や生活、文化を断ち切ってしまった結果が表れている。とりわけ子育てに関しては、その影響が大きいという。花崎さんは家庭の機能を次のように考える。
・ どんな時でも自分のことを受け止めてくれる大人がいること。
・ あるがままの自分を出して、リラックスできること。
・ 人として社会人として大事なことを学ぶ場であること。
「家庭は、にわかに築けるものではなく、毎日の積み重ねです。そして、その団らんのなかで子どもの心は育まれていくのです。親子の絆は、血縁ではなく共に過ごした時間の長さです。心と身体を使った積み重ねが子どもに通じた時、親子の認識が生まれるのです」。


 



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