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「助産院で出産したことで、
家族のつながりが深まったと思います」

右田淑子さん(茂原市)

 少子化が進む現在、3人の子どもがいる家庭は珍しくなってしまった。が、茂原市に住む右田淑子さん(33)は、「私は3人ほしいと思っていたんです。私自身3人兄弟で、とてもバランスが良かったと思っていたから」と話す。
 大阪で生まれ育った淑子さんは、大学在学中に同郷の秀幸さんと交際を始めた。秀幸さんが茂原市に就職となったため遠距離恋愛の末、結婚した。病院で「あなたは子どもができにくい」と言われ、不妊治療を始めたところ数カ月後に妊娠した。「驚きました。そして、とてもラッキーだと思いました。だから、まさか3人も子どもに恵まれるようになるとは思いもしませんでした」と、当時を振り返る。
 5歳の雅哉くんを頭に、3歳の温哉くん、そして、この秋初めての誕生日を迎えた梨緒ちゃんと、3人の子ども達との生活は大変だが、秀幸さんが家事は積極的に手伝ってくれるし、子どもの面倒もみてくれるので辛いと感じたことはないという。
 「それが、とても自然体なんです。私達の親も友人も皆大阪にいて、ふだん私の育児や家事を手助けしてくれる人が近くにいないことを主人は理解してくれています。休みの日も1人で出かけちゃうことはありません。買い物に行くのも皆一緒。今の若い父親がどうなのか分かりませんが、私の父はそういうタイプではなかったので、主人に対して感謝の気持ちでいっぱいです」
 3人目の子どもの妊娠が分かった時、「今度は女の子がほしい」という期待と同時に、「また男の子でも、その誕生を素直に喜んであげたい」という複雑な気持ちだった。だから、生まれるまで子どもの性別は聞かなかった。
 2人の子どもは病院で産んだ。でも、今度は助産院でと考えた。
 「里帰り出産でいいのかな〜という思いがあったのです。だって、私達の子どもなのに…。たまたま温哉を産んだあと母乳が出にくくてマッサージをしてくれる所を探したら、保健所で市原の助産師さんを紹介してくれました。とても、信頼できる方でした。その先生が助産院を開いたというので、先生の所で産もうと考えたのです」
 検診の日には、いつも雅哉くんと温哉くんも連れていった。エコーを見せてもらい、「これが赤ちゃんだよ」と教えた。だから、2人とも赤ちゃんの誕生を楽しみに待った。出産間近の朝、助産院に行き、その夜、待望の女の子が産まれた。希望していた立ち会い出産だった。温哉くんは怖がって部屋から出ていってしまったが、雅哉くんは嬉しくて興奮状態だった。
 「『早く、早く出てきて』と大騒ぎ。お産が始まると、『頭、出てきた』と実況中継(笑)。主人と雅哉が、へその緒を切り『やった〜!』。皆、立ち会い出産は初めての経験。とても感動しました」
 秀幸さんは会社を休み、家族全員で5日間助産院に泊まった。
 「快く家族との寝泊まりを承諾してくれた先生には、本当に感謝しています。このお産で初めて、産ませてもらったのではなく、自分で産んだという実感が湧きました。これまでは実家にいて両親や皆に守られて、『妊婦さん』って特別な感じだったのが、私達家族4人が普通に生活する中で出産の日を迎え、誕生の場には皆でいた…ということで、家族みんなで生んだという気持がすごく強い。特に、主人と2人で頑張ったね!って」
 温哉くんが生まれた時、雅哉くんはとてもショックを受けた。ある日突然、家に来た赤ちゃんに馴染めず、その存在が認められなかったのだ。「あとで、あの頃の写真を見ると温哉が生まれて半年位は、雅哉の笑っている写真が1枚もなかったんです」
 それが今回、温哉くんは梨緒ちゃんに対して、そういったショックはみられなかったという。やはり助産院での出産を選んだことが大きいと、淑子さんは話す。
 お産を特別なものと考えず、日常の中で自然な形で迎えること。そして、そのために支え合い、いたわり合うことの大切さも知った。助産院での出産を通じ、
家族の関係をより深めることにつながったと淑子さんは思っている。 (内田)



  



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