あたたかい心づかいと利用客の笑顔
小湊鉄道のスタートは、市原市内の各駅の中でもっとも乗降客が多い五井駅。JR五井駅の改札口を入って奥の階段を下ると、小さなホームに、最近よくTV画面でお見かけするあの車両が止まっている。
朝夕の時間帯には、通勤や通学の利用客で3両編成の車両はいっぱい。JR線への乗り換え階段もたくさんの人であふれかえる。利用客の少ない日中には1両のみ編成になる。親子連れやお年寄りの方が、1時間に1本か2本の発車時刻を待っている。大沢駅長は「ドアが開いてると寒いですからね」と言って、待っているお客様を暖房のきいた車内に乗せて、手動式にしたドアを閉めてくれた。駅長さんのあたたかい心づかいと、利用客の笑顔がとても印象的だった。
五井駅の朝は、5時半の電話のベルで始まる。養老渓谷駅からの始発電車が、異常なく発車できるかどうかの報告である。全区間単線の小湊鉄道では、上下線どちらか1本でも遅れると全ての電車に影響がでてくる。さらに五井駅では、JR線の遅れにも対応しなければならない。発着全ての電車において、的確な時刻に線路のポイント切換を行う大切な役割を果たすのが運転司令官。大沢さんは駅長であると同時に、運転司令官でもある。司令台の前に座ると1日はあっという間だという。
五井駅構内の車両庫敷地内には、大正13年から昭和31年まで運転された3両の蒸気機関車が保存されている。アメリカボールドウィン社製の2両と、イギリスベイヤーピーコック社製の1両は千葉県指定文化財となっている。車両部に一言言えば、いつでも見学させてくれるそうなので、ぜひ子供達にも見せてあげたい。