ふるさと「小湊鉄道8」−上総牛久駅− 平野達巳駅長
牛久は鶴舞台地と音信丘陵との間にはさまれた、養老川沿いの盆地に開けた町である。その昔旅人が、市原・長生・君津の山々に巣食う何万羽もの烏が、朝夕この盆地の田んぼに飛来するのを見て、「烏宿(うじく)」と呼ぶようになったと伝えられている。 上総牛久駅は、五井駅を除いて小湊鉄道唯一の街中にある駅で、乗降客数も五井駅に次いで多い。全列車の約半分が上総牛久駅で折り返し運転を行っているため、平野達己駅長は線路のポイント切換を行っている。 また上総牛久駅から下り里見駅までは自動運転ではなく、票券閉そく区間となっている。票券閉そく式とは、1つの区間に1つの通票という通行手形のようなものがあって、通票を持っている駅からしか電車を出すことができないというシステムである。里見駅長から通票を受け取った運転士は、上り電車が牛久駅に到着すると、平野駅長に通票を手渡す。上総牛久駅からの下り方面は、通票を受け取ってはじめて電車を出すことができるので、平野駅長は今度は下り電車の運転士に通票を手渡す。このようにして単線の線路は、上り下りの電車がぶつかる ことなく運行しているのである。 上総牛久駅の駅員室には、折り返し電車が到着し発車するまでの時間を待つ運転士や車掌が集まる。平野駅長について「頼りがいがあって優しい駅長ですよ」と話してくれた。