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  ― 子育ては未来を創る

         素晴らしい仕事 ―


イラスト/山口高弘

 「子育ては楽しいですか?」の質問に、8割の人が「はい」と答えます。同じ人たちに「子育てはつらいですか?」と聞くと、9割の人が「はい」と答えます。矛盾しているようですが、これが現実です。子育てに正解は無く「あの人の子育ては完璧」という人にも、これまで会ったことがありません。
 私自身、2人の子どもを育てています。同じ親から生まれ、顔こそ似ていますが、体つきや性格はまったく違います。そして、2人の子育てもまったく違うものでした。ひとり目のときは、私も新米ママですから分からないことだらけでした。専門書を読みあさり、今抱えている問題の答えを探そうとしました。育児書通りにミルクを飲まない子どもに、市販されている哺乳瓶や 粉ミルクの全種類を買って試したり、時間になるとスヤスヤ寝ている子どもを無理に起こして授乳したり。今は笑って話せることですが、その時は『良い母親』という大役を必死に演じていました。
 母親になったのだから、だれかに助けを求めてはいけない!全部完璧に自分でしなくてはいけない!でも、思うように子どもは育ってくれない!この子の成長が私の評価になる!そんな重圧が毎日、毎日私を苦しめました。日本社会の中で、これまで子育てが表舞台の仕事として認められることはありませんでした。子どもができると当然のように母親ひとりが子育てをし、だれからも認められることなく、つらく苦しい日々をひとりで必死に生きていました。
 子育て中に、先輩お母さんから「今が一番いい時ね。頑張って」と言われることがとてもつらかったことを覚えています。「こんなに大変な毎日が一番良い時だとしたら、これからもっと大変になるの?こんなに頑張っているのにもう頑張れない」私の心は悲鳴をあげていました。だれかが「毎日大変でしょう。本当に良く頑張っているね」と声をかけてくれたら、きっと「これでいいんだ」と、自分の子育てに自信が持てただろうと今でも思っています。
 子育てのつらさは私だけではなく、私の仲間たち、そして今、子育て真っ最中の人たちの共通のものでもあります。私たちは、お母さんたちの心の悲鳴に寄り添いながら「子育ては陰の仕事なんかじゃない。未来を創る素晴らしい仕事なんだ」というメッセージを込めて、子育ての支援の活動をしています。子育て中のお母さんたちが『誇りと自信』をもって子育てできるように。そして「助けて!」と言える温かい地域づくりのために活動しています。   (文・船山慶子)

【市原市こどもセンター副理事長  船山 慶子さん】
 子どもの育ちを温かく見守る地域づくりを目指して、情報誌「わっくわくいちはら」の発行、体験活動の推進、子育て支援など、地域の大人と子どもの出会いの場を提供する活動を展開している。

●NPO法人市原市こどもセンター  市原市国分寺台中央1−7−1
TEL・FAX/0436-24-6034
E-mail : info@e-kidskids.com

【山口 高弘(やまぐち たかひろ)さん】
・1981年市原市生22歳 惣社在住。
・慶應義塾大学法学部法律学科在学中。
・小学4年秋から1年半、千葉日報紙上で毎週、父の随筆のイラストを担当。後、これをまとめた「お父さんの房総花だより」を出版。
・1997年3月からシティライフ紙上にイラストの連載開始。
・2000年、菜の花のイラストが堂本千葉県知事のFAXシートに採用される。


船山 慶子さん

山口 高弘(やまぐち たかひろ)さん