「わんぱくでもいい、たくましく育って欲しい!」一頃流行ったTVコマーシャルの父親の台詞です。その頃、母親たちは幼児早期教育に走り始め、子どもの習い事が増え、外で遊ぶ子どもたちの姿がまちから消え始めていました。
高度成長期、家庭に帰れない父親たちは、常に自分を評価される会社という小さな社会の中で、仕事、接待、仲間との付き合いと、自分の好むと好まざるとにかかわらず毎日何かに追いかけられていたのではないでしょうか。愛する人と家庭を築き、子どもにも愛情を注ぎたいと思いながら、会社から離れられず、本来の人間としての自分を見失って行った人も多かったと思います。
母親たちは、家庭に戻って来ない夫には目を向けず、愛するわが子に全身全霊を傾け、世の中の流れに遅れまいと必死に習い事の送迎、教育ビデオ、子ども服ブランドのバーゲンと、頑張っていました。そして子どもたちは、母親の期待を一身に背負い、おとなしく良い子が増えていきました。
そんな社会状況の中で、普段何もできない父親が、妻と子どもに向けて、ふと出てきた言葉が「わんぱくでもいい、たくましく育って欲しい!」だったのではないでしょうか。
子どもにとって父親と母親は違う人間であり、それぞれの生き方を日々感じながら生きています。片方が苦手なことを片方が補いながら生きていく夫婦の在り方を子どもは毎日学んでいます。
100人の子どもがいれば100通りの子育てがあります。、そこに父親と母親の組み合わせを加算すると、数えきれない子育てがあることになります。子育てに正解はなく、完璧な子育ては存在しないのです。いろいろな育児書の例はあくまでも例であり、皆さんの子育てもまた後輩への事例でしかないということです。失敗もまた事例として役に立つこともあり、子育てをした経験があるというだけで、あなたは誰かの役に立っているのです。
そんな子育て経験者の力で、子育て支援事業を推進しているのが「つどいの広場」です。子育ては、人間だけのものではなく生きるものすべての営みです。失敗も含めて先輩から学び、また自分なりにアレンジして挑戦してみる。評価は永遠に無いのです。楽しい子育てをみんなで一緒にできたら素敵ですね! (文・船山慶子)
【市原市こどもセンター副理事長 船山 慶子さん】
NPO法人市原市こどもセンター副理事長 子どもの育ちを温かく見守る地域づくりをめざす。情報誌発行、子育て支援など。国分寺台中央
●NPO法人市原市こどもセンター 市原市国分寺台中央1−7−1
TEL・FAX/0436-24-6034
http://www.e-kidskids.com/
【山口 高弘(やまぐち たかひろ)さん】
・1981年市原市生22歳 惣社在住。
・慶應義塾大学法学部法律学科在学中。
・小学4年秋から1年半、千葉日報紙上で毎週、父の随筆のイラストを担当。後、これをまとめた「お父さんの房総花だより」を出版。
・1997年3月からシティライフ紙上にイラストの連載開始。
・2000年、菜の花のイラストが堂本千葉県知事のFAXシートに採用される。