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  ― 対話の大切さ
  愛だけでは子どもは育たない ―


イラスト/山口高弘

 私が保護司の活動を始めて31年になります。保護司は、犯罪や非行をした青少年が、通常の社会生活を送りながら健全な社会の一員として立ち直るよう、指導、援助します。子どもたちが、不幸にも罪を犯してしまった理由は様々ですが、幼児期に大人から物事の善悪を教えてもらえなかったケースが多く見られます。
 いま、青少年の非行は大変増えています。親子関係、友人関係。何事も壊すのは簡単ですが、修復するのは難しく、大変な労力と長い時間がかかります。「子は親の背を見て育つ」といわれます。親は子のお手本です。親子、夫婦、友人、尊敬し合える関係にあるでしょうか。尊敬できる関係を築くには、互いに感謝の気持ちを持てることが大切です。
 今は子どもの数も少なくなり、経済的にも豊かです。親が子をかわいがるのは大変良いことですが、恵まれすぎて感謝の気持ちが薄れているようです。人格は、愛だけでは育ちません。互いに認め合い、尊重し合うためにはしつけも必要です。
 子どもに何かねだられた時、言われるままに買い与えていませんか。また、一方的に叱りつけていませんか。本当にそれが必要なのか、話し合いましょう。忙しさにかまけて、話す事を後回しにしていませんか。子どもはいつの時も「認められたい」「励まされたい」と思っています。子どもの将来には、かえられません。努めて、親子で対話の時間を持つようにしましょう。
 自分の気持ちを相手に伝える時には、まず相手の話を聞くことです。聞く時は、うがった態度ではなくその子の目線に合せた話し方に心がけます。私が保護司として活動する中、最初なかなか話をしてくれない子もいます。そんな時は、相手と同じ年頃の自分の失敗談などを聞かせて、相手が話しやすい雰囲気をつくり、話してくれるまでじっくり待ちます。そのうち、親にも話さない事も話してくれるようになります。
 子育ての環境や事情は、各家庭でそれぞれ異なります。あの人が上手くいったからと、真似しても同じように上手くいくとは限りません。それぞれの家庭に、それぞれの子育てがあります。ただ、悪いことはその場ですぐ叱り、良いことをした時はうんとほめてあげてください。   (文・永島嘉男)

【永島嘉男さん(73)】
千葉県市原地区保護司会会長
犯罪や非行防止のための活動を、関係機関や団体と連携してボランティアで活動する。『社会を明るくする運動』は、青少年の犯罪を水際で防止するための活動。現在、市原市内には各地域に63名の保護司がいる。

【山口 高弘(やまぐち たかひろ)さん】
・1981年市原市生22歳 惣社在住。
・慶應義塾大学法学部法律学科在学中。
・小学4年秋から1年半、千葉日報紙上で毎週、父の随筆のイラストを担当。後、これをまとめた「お父さんの房総花だより」を出版。
・1997年3月からシティライフ紙上にイラストの連載開始。
・2000年、菜の花のイラストが堂本千葉県知事のFAXシートに採用される。


永島嘉男さん

山口 高弘(やまぐち たかひろ)さん