私達は、いつ何どき災害に巻き込まれるか分からない環境の中で暮らしている。とりわけ怖いのは、予知が難しい地震災害。阪神・淡路大震災の翌年の平成8年から14年までの7年間に、日本列島では震度5以上の地震が81回、年平均10回以上起きているそうだ。だからこそ、日頃の地震の備えや防災対策が大切。そこで先頃、勝浦市市民会館で行われた防災講演会で学んだ「被害を最小限に抑える基本中の基本の心得」の紹介と感想を。
この防災講演会は、県内のNPO法人のパイオニアで、福祉や環境問題を中心とした幅広いボランティア活動の展開で知られる『NPO法人・宇宙21』(石井喜久子代表)の創立5周年記念事業の基調講演として行われたもの。以下は家族向けに絞った提言。
☆柔らかい地盤、高い建物ほどよく揺れる
この辺(勝浦)は地盤が硬いので大丈夫だろうが、細かな砂や粘土が降り積もった地盤の地方は大地震に弱い。一般的には、小さな川が流れ込んでいる周辺の柔らかな地盤に建つ家がよく揺れる。鉄筋コンクリート建てのマンション等は、階数が高くなるほどよく揺れる。1階が震度4の場合、10階では震度5と揺れのレベルが高まるので要注意。
☆小さな地震でもすぐ火を消す習慣を!
食器棚等がカタカタと揺れてからグラッと家が揺れるまでの時間は平均7秒。カタカタに気づいたら何はさておき火を消すこと。
地震災害で一番懸念されるのが火災の発生だから。台所のガス栓をはじめ、瞬間湯沸かし器のタネ火、お風呂の火、使用中の石油ストーブやテレビ、コタツ、アイロンなどの電化製品類のスイッチを切ること。
注意したいのは、コンセントが揺れてショートし火事になるケースが多いこと。地震の際の行動能力は、震度5から急激に低下するので、使用中の火気器具を止めることが難しくなり、震度7では何もできなくなる。火の始末については、台所で火を使う際、作業が終わって火を消すまでその場を離れない、という習慣づけを是非おすすめしたい。大地震が突然やってきても安全、安心が得られるからだ。
☆高齢者の居室は2階がベター!
高齢者の居室は1階が多い、というデータがあるが、地震で木造家屋が倒壊した場合、ひしゃげるのは1階。2階はその上に乗った形でつぶれずに済むこともあるから安全。グラッときた時、2階から慌てて1階に駆け下りないこと。揺れる中を下りると転落の危険があるからだ。一般的に家の中の安全地帯は、トイレ、風呂場、押入れなど狭くて柱の多い所。しかし、老朽化した木造家屋は前記の場所の劣化で安全とは言えないので注意。
☆家屋倒壊の時に役立つ情報
高齢者や子ども、女性など家族の『災害弱者』がどの部屋に寝ているかが分かっていると、家屋倒壊の際の救出に役立つ。プライバシーの絡みがあるが、良い智恵を絞りたい。
☆是非とも防災センターで地震体験を!
地震を体験できる防災センターは全国各地にあるが(県内では松戸市)、どこも入場者が年々増加、真剣な面持ちの体験者で賑わっている。地震車による震度1から7までの地震体験や消化器の使用体験等、是非家族全員の経験が必要。
☆グラッと来ても慌てて外に飛び出すな
家の外は危険がいっぱい。落下する屋根瓦やブロック塀の倒壊等で命を落とす人が多い。急いで屋外に逃げる必要があるのは、初期消火の失敗や壁が落ち家が傾いた時等。
☆津波は超特急でやってくる
勝浦は津波が気になる。海岸の近くで大地震が起きた時は、地震後5〜10分で津波が押し寄せることもあるので、すぐ高所へ。なにしろ波消し用のテトラポットが次々と浜に打ち上げられるほどの凄さだという。
(井上)