(社)東金青年会議所が、去る5月14日に創立35周年記念講演会を開催した。講師は山口良治さん?。ラグビーの日本代表を経て高校教諭・ラグビー部監督に就任。81年第60回全国高校ラグビー大会で、全国的に無名だった伏見工業高校を率いて初優勝。公立高校の恵まれない練習環境を克服、就任後わずか6年で日本一に導き、これまでに全国制覇V3を達成している。教師・監督としての生徒達への熱い体当たり指導が多くの人の感動を呼び、映画『スクール・ウォーズHERO』やNHKの『プロジェクトX』で主人公として紹介されている。
演題は『信は力なり〜ワクを越えた絆』。人と人との意思の疎通、お互いの立場を越えて結ばれる絆の大切さについて語ったが、そのうち『大人と子どもの絆の深め方』に絞ってまとめてみた。(井上)
★子どもたちの心身を健やかに育むには。
「夢と希望を抱かせることを抜きには考えられない。一人ひとりの子ども達の持ち味を活かし、目標に向かって努力を重ねる中で、自分という主体を確立させていくには、ラグビーこそうってつけのスポーツだ。走り続け、全身でぶつかり合うラガー・マンの誰もが口にするのが『こんなに痛い、辛い、苦しい、悔しい思いをする練習は外にない。しかし、その先にある試合での勝利の感激を味わう為に皆我慢を重ねているのだ』という言葉に。このような経験の場を子ども達に与えることで『己に勝つ自分』を発見させることができる。大人が今、子ども達に何をすべきかと問われた時、まず克己の大切さを説きたい」
★フォア・ザ・チームのラグビー精神。
「子ども達がラグビーを通じて、自分の為に、他人の為に、どれほどの汗や涙を流すことができるか学び、そしてそれをゲームの中で結晶させる時、グランドとスタンドが一体となって、感動と感激の共有、共感が生まれる。と、私はあらゆる機会を通じて彼らに言い続けてきた」
★子どもに教えるということは。
『ああしろ、こうしろ』と言うことではない。大人として『子どもにどんな夢を語ってやれるか』、『どんな希望に燃えた子どもにしてやれるか』が大切。子ども達にドキドキするような『出会いの経験』を与えてやることで、彼らのときめきやそこから引き出されるやる気を信じてやりたい。そう考えて今日までやって来た。彼らの可能性を信じることによって、どんどん変わっていくことを多くの子ども達に教えられてきた」
★山口流教育観の根底にあるもの。
「教育は子どもに外から何かを付け加えてやることではない。子どもに元々あるものを引き出してやることだ」