NO.14

お互いの国を学びながら日本で暮らす手助けを
日本語教室『ラベンダー』

 青葉台の田中博美さんは、市内に住む外国人を対象に、週1回YOUホールで、無料の日本語教室『ラベンダー』を主宰している。日本語の習得だけでなく、各国の文化を学び合うプログラムを組んでいるのが特徴だ。5月に行われたのは、参加者に人気のクッキング教室。メニューはマレーシアの菓子『Pisang Goreng(ピサン ゴリン/フライドバナナ)』と紅茶、餃子と小龍包。講師は、マレーシア、中国の参加者。他の国の参加者は調理方法や味つけの仕方などを学びながら、全員で賑やかに作った。
 田中さんは、平成3年に設立された市原市国際交流協会(小宮徳治郎会長)当初からのメンバー。平成5年に千葉県国際交流協会の日本語ボランティア養成講座に参加し、4カ月間、日本語の教え方を習った。「せっかく学んだのだから、ぜひ生かさなくては」と、同じ講座の仲間数名と、その年のうちに五井で日本語教室をスタート。市も「市原在住の外国人に必要なこと」と、当時の青少年課(現在は国際交流推進室)に窓口を設置してくれた。『ラベンダー』をたちあげたのは平成9年。「日本の言葉を教えるだけでなくて、参加者の母国のことをみんなで学んだら楽しいのではと。いろいろな国の方が市原に来ているので、バラエティに富んだ内容にすれば、皆さんも教室に参加しやすいのではと考えました」。クッキング教室は2、3カ月に一度。クリスマスには、参加者が自国の料理を作って持ちより、パーティをする。年1回は市のバスを借り、県内に研修旅行。茶道、房総寿し、着付けも体験した。
 今回のクッキング教室に来た参加者は、「皆さんに自分の国の料理を食べてもらって、おいしいと言われるのがすごく嬉しい」「体験しながら言葉を習うので覚えやすい」と話す。実際に、田中さんが『油で揚げる』ことを「物を持ち上げる、の『あげる』とは違って……」と、説明をしながら料理。さらに揚げる前と後で『揚げます』『揚げました』などの現在形、過去形なども教え、動作と一緒にみんなで復唱したりしていた。
 参加者は、お互いの悩みや苦労したことなどもよく話す。「みんなで語り合うと気が楽になります。同国の人もいるので、励まされます」と言う。国に関係なく友人が増えることは、日本で暮らす参加者たちにとって大切な心の支えになる。教室に来るほとんどの人が片言の日本語のため言葉が通じず、近所とのコミュニケーションがとりにくい。風習も言葉も違うので、アドバイスできる人が周囲にいないと、生活上で困ったり、孤立してしまうことが多くなる。日本人と結婚し来日した女性で、ご主人の使う男言葉を覚えてしまい、近所の人にいい印象を持たれなかった人もいたという。
 田中さんが携わった日本語教室への参加者は100名を越える。今では流暢に日本語が話せるようになり、英語塾を経営する人もいる。「外国の方に、市原に二度と来たくないと思われるのも嫌ですし、少しでも手伝えることがあったらと思っています。これまでホームステイのお手伝いなどで、45カ国以上を訪問しましたが、様々な違いはあっても、人としては同じ。『地球人』ですね。お互いに尊重し、理解し、助け合っていくことが大切。『地球的規模で考え、地域から行動する』ことをモットーに、スタッフの方とともに頑張るつもりです」。地域でのつながりも、国際交流の大切な要素。ひとりでも多くの外国人が市原に溶けこめるようにと、『ラベンダー』は楽しみながら活動する。    (米)

茶道を体験。
教室によって参加者の人数も国籍も様々。
今回の料理。

本場の小龍包、焼餃子、砂糖入りと塩入りのフライドバナナ、
チャイ(コンデンスミルク入り紅茶)など。
ボリュームもたっぷり。

クッキング教室の参加者。
前列右端が田中さん。

マザー牧場にて。
タイ(左端)、フィリピン、ガーナ(右端)の子どもたち。

  

 



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