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あけましておめでとうございます

 自分たちの暮らす街を、笑顔あふれるところにしよう!もっと元気にしよう!と、頑張っている人たちがいます。1人より2人、2人より3人、仲間づくりの輪が広がっています。シティライフの2003年のテーマは『まちづくり』です。子どもも大人も高齢者も、障害のある人もない人も、みなが安心して生き生きと暮らせる街にしようと、地域で支え合う人々を紹介します。

人情あるネットワークをつくろう

子ども達に無限の夢を
山武町に新しい夢を輝かせる会
山武郡山武町商工会青年部

 平成14年12月14日午後6時すぎ、山武町にある『さんぶの森公園』では『第4回ライトフェスタinさんぶの森』が開催され、昼のイベントが終了し、点灯式が行われようとしていた。
 地元の走友会のメンバーや中学校陸上部の生徒が『聖火マラソン』のゴール、ステージに上がった。トーチを掲げた数人の走者が、中央に置かれた聖火台に火を移す。その瞬間、一斉に高さ60メートルのグリーンタワーをはじめ、周辺の木々や広場に展示されたペットボトルオブジェにイルミネーションの光りが瞬く。花火が打ち上げられ、イルミネーションの幻想的な世界に華を添える。歓声が上がり、訪れた人々の笑顔も輝く。    
 クリスマスまでイルミネーションは続く。
 「5年前、青年部の定例会議でタワーにイルミネーションを付けようと提案したら、『素人ができっこない』、『お金どうするの、予算ないじゃん』って反対意見ばかりでした」と、当時、山武町商工会青年部の部長だった嘉瀬さんは苦笑する。
 生まれも育ちも山武町の嘉瀬さんは、大学生活や会社勤めで町を離れていた時に、出身地を聞かれ答えるたびにコンプレックスを感じていた。
 「だって山武町という名前自体田舎くさいし、山武町には語るべきものが何もないと思っていたから。観光スポットもないし名物もない。どんな所と尋ねられても答えられなかった」
 が、家業を継ぐために山武町に戻って以来、変わらぬ町の現状に、このままでいいのか?と思った。地価が安いと都会から移り住む人の数が増え、町民の半数以上を新住民が占めるようになった。でも、町で暮らす子ども達が大人になった時、町に住みたいと思うかどうか、そう考えたら何とかしたいと思った。結婚し子どもが生まれると、一層その思いは強くなった。何か行動を起こそう。「子ども達が山武町って、こんな所なんだよ」と誇れるような町づくりをしようと決心した。これが原点だった。
 セミナーやインターネットで様々な町づくりに関する情報を仕入れた。そして、とりあえず皆を巻き込める参加型の町づくりはイベントしかないと考えた。「地域に楽しいイベントがあれば、他所に行って自分の町を話すきっかけ作りになる」。住民参加型にこだわったのは、ひとり一人が自分も町づくりに関わっているんだという意識を持ってほしいから。
 ちょうどそんな折、「建設費も維持費もかかるのに必要があるのか」と住民の反対が大きかったグリーンタワーの建つ『さんぶの森公園』が完成した。予想通りに利用者の少ないタワーと、何かイベントをやりたいという嘉瀬さんの思いが結びついた。資金がないのだから、ある物を有効に活用すればいい。
 そこで、青年部の皆にタワーイルミネーションをやろうと提案した。
 最初は躊躇したり反対もあったが、話し合いを重ねるうちに男達の熱い思いがひとつになった。そうして青年部の10人足らずの有志によって『山武町に新しい夢を輝かせる会』が結成された。会の主旨は、「町民が地元を誇れるものを創りたい」。目標は、町への愛着心を育て末永く住み続けたいと思う町づくりに貢献し、子ども達に良き故郷を残してあげたい。そのため、自分達の手でつくる参加型のイベントを継続的な企画で、しかも時代に合ったエコロジー&リサイクル、そして資金がないのでエコノミーをモットーにやろうと決めた。が、何はともあれ基本は主催する自分達が楽しめること。「楽しくなくちゃ続けていけない。続けなければ定着しないからね」と、青年部部長の川島さん。



タワー点灯!皆の夢が輝き出した


 4年前、初めてタワーのイルミネーションが点いた時、会の皆は泣いた。周囲から「無理だ、できるわけない」と言われ続けただけに、その喜びと感動は大きかった。
 「やったぜ!ですよ。もちろん、イルミネーションだけを見たら資金も専門技術もない素人集団の作ったものだから、他の企業や行政のやっているイルミネーションと比べお粗末なものかもしれない。でも、我々は目的が違う。外に向けて見せるイベントではなく、そこに暮らす住民が創り上げるイベント。客寄せや有名にするためのものじゃないから、はじめから規模を大きく立派なものにしようとは考えていません」と、青年部の皆さんは話す。
 だから、「なんだ、こんなもんか」と言う人には、「そうです。でも、来年はもっと素敵にしたいので是非協力して下さい」と答える。
 パーフェクトを求めるとプレッシャーになり苦しくなる。それでは続かないし、楽しくできないなら本末転倒。皆、そう考えている。
 打ち上げ花火も、初回は会のメンバーがタワーのてっぺんに上り、市販の打ち上げ花火を放った。現在もタワーに登って電飾を取り付けるのは同じ顔ぶれのメンバー。「最初、タワーのてっぺんに誰が登るんだ、ってイベントに反対していたメンバーが言ったので、自分は負けず嫌いなもんで、じゃ俺がやるって言っちゃったんですよ」。以降、毎年タワーのてっぺんに登るのは畳職人の横石さん。命綱もなし、高所で強風にあおられての作業だ。作業中に地震があったことも。
 タワーイルミネーションだけでなく、地域のグループが出演するステージの設営からショーの音響・司会・進行を務めるのも会のメンバー。
 エコロジー&リサイクルを身近に楽しむためのペットボトルオブジェとメッセージランプ。初回はメンバーが町内の小学校を周り、子ども達にペットボトルオブジェを作ってほしいと頼んだ。今では子どもだけでなく大人の出品もある。ペットボトルをそのままゴミにするのでなく、集めて好きなものを形作る。リサイクルできるよう塗料や接着剤を使わず、針金でつなぎ止める。制作に総合的な学習の時間をあてている学校もある。イルミネーションとは違ったクリスタルな印象が好評だ。
 当日参加のイベントとしては手作りメッセージランプ。空き瓶に好きな絵や言葉を描き、ティッシュペーパーとアルミホイルで作った芯を空き瓶に差し、会が用意した廃油を注ぎ入れ出来上がり。火を点けてペットボトルオブジェの周りに並べる。「家庭にある物で作れるし、作り方を覚えておけば灯りや燃料として災害時にも使え役立ちます」という。今回は、ペットボトルオブジェで回る仕掛けの大観覧車にランプを乗せ、手動でだが回してみせ来場者はうっとりと見入っていた。前年まではメッセージランプで人気キャラクターの巨大地上絵を形作っていたが、タワーの展望室に上がらないと、その形が見られないのでエレベーターに子ども達が殺到し、非常階段を使うことになり危険が予想されたため今回は止めた。ただ、公にはしなかったが、 「子ども達の未来は無限大、夢は無限にひろがる」という願いを込めて、ペットボトルオブジェをチューブライトで無限大のマークの形に囲んだ。
 その他、ステージ出演、ビンゴ大会、町内をイベントPRカーと共に走る聖火マラソン、フリーマーケット、メッセージ花火等、様々な形で皆がこのイベントに参加している。
 「今でこそ露天商の人に入ってもらってますが、初めての年はクレープ屋さんだけ。それで寒いなか集まる人達に何か温かいものをと考え、町内の生産者の所やスーパーに行きイベントの主旨を話したら、食材を提供してくれました。で、豚汁うどんを参加してくれた人達に無料配布しました」。青年部の有志の思いが、住民の共感を呼んだ第一歩だった。
 そして、昨年秋にはイベント開催の実行委員会も発足した。青年部の有志だけでなく、より多くの人達に中心になって活動してほしいから。幅広い意見や提案、実行力にも期待している。
 今年はライトフェスタ以外に、地元の写真愛好家のグループによる『1千人の写真撮影会』やタワーから同じ敷地内にある図書館に鯉のぼりを渡すイベント、町内で唯一の駅をイルミネーションで飾る『流れ星フェスタ』等を検討していると、青年部の皆さんは元気良く話す。
 山武町の元気な『まちづくり』は、毎週全国各地の町おこし・村おこしを紹介している『笑顔がいちばん!』(TBS日曜午前7時〜)でも1月19日に放送される。 (内田)




タワーイルミネーション「言い出しっぺ」の嘉瀬さん
   
一昨年から青年部に入った大橋さん
青年部部長 兼会実行委員長の川島さん イベント司会役の斉藤さん

地元の写真愛好家のグループ『写楽会』の出店、
山武杉で作ったフレームを販売。
手作りメッセージランプの作り方を説明する。
私が作ったランプだよ
名物誕生なるか?
和菓子店『大橋堂』のタワー型菓子『杉の塔』
ビンゴ大会の受付をする。前年1,000枚用意し完売したので今回は1,200枚に。飲食物の販売売上金と共に貴重な会運営の資金にあてられる。


ペットボトルオブジェ。今回は12作品が出展。
他、トトロやネコバス、フラミンゴ等、力作ぞろい。
 

  



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