主婦の視点を活かし、家庭から出るごみを減らそうと活動する市民団体『いちはら・ごみ端会議』(羽鳥シズ子会長)。そのユニークなアイデアと行動力が認められ、10月26日、富山市で開催された環境省主催の『ごみゼロ推進全国大会』では、市民団体で唯一選ばれ、活動を全国発信した。
どこの自治体も、ごみ処理に莫大な経費をかけている実状に「ごみ減量のため、井戸端会議ならぬごみ端会議をつくりましょう」と、昨年4月環境問題に取り組む8人の女性が中心となって立ち上げたのが『いちはら・ごみ端会議』だった。「地域コミュニティの原点になる活動にしたい」という思いから、家庭ごみの減量に活動を定め、主婦一人ひとりに参加を募った。
当初、呼びかけに賛同して集まった主婦は約30人。ひとりでも多くの人に関心を持ってもらうため、ライフスタイルにあわせた生ごみの減量、買い物時のマイバッグ運動、資源物の集団回収の3点を活動目標に、4つの部会に分かれて活動を開始した。組織部会は会員拡大に奔走。学習部会は、ごみの出し方についての勉強会や討論会を開催し、リサイクルの現場見学会を企画した。渉外部会は市のエコショップ認定作業に参加し、現場の事情を学んだ。広報部会はホームページと、年4回の会報誌で活動を発信する。
今回ごみゼロ推進全国大会で、ごみ端会議が発表団体に選ばれた理由は、活動の歴史は浅いが活動ぶりは極めて活発。ホームページや機関紙『ゴ・ミンゴ』も斬新な編集でごみ問題をとらえ、ごみにかかわる情報を楽しく伝えるとともに運動の輪を広げているというものだった。市のごみ袋をキャラクターにしたゴミンゴと個性豊かなシュフラーズが、ごみ問題を紹介する『ゴ・ミンゴ』では、家庭で気軽にできるごみ減量法やごみの分別クイズなどを通じて、ごみの減量を呼びかける。広報誌は会員に郵送する他、市内500町会に回覧する。
また、組織部会の『いちはら・ごみ端会議キャラバン隊』略してごみキャラは、実践行動隊として地域に活動を広げる大きな原動力となっている。「分かりやすいようにと、ごみのサンプル、ごみキャラグッズを引っさげて、呼ばれればどこへでも出かけます。ごみのためだけに人を集めるのは難しいので、何か会合があれば5分間を私たちにくださいと押しかけて行きます」と話すのは、事務局長でもある大澤和子隊長。「お菓子の箱も、トイレットパーパーの芯も、使用済みの封筒もみーんな資源です。ごみ箱ではなく紙袋にためて資源回収に出しましょう」。身振り手振りを交え、説得力満点で繰り広げる押しかけピーアール隊ごみキャラのパフォーマンスに、聴衆は「ふーん、そうなんだ。知らなかった。このくらいなら、わが家でもできそう」と聞き入る。活動を開始して1年半、ごみキャラの出動は57回を数えた。市内各地の民生委員の集会に始まり、町内会や老人会、乳飲料メーカーや生命保険会社の職場にも出かけた。今年の夏には市内小学校からの依頼で、初めて学校を訪問する機会を得た。「子どもたちの環境教育を通じて、家庭や地域へごみ減量を呼びかけるのは、大変大きな効果があります」と会員たちは喜ぶ。その後も、学校訪問の予定が入って来ているという。
現在会員数は450名。年間1000円の会費を払って活動するオレンジ会員、自分の暮らし方で協力するグリーン会員、主に男性や団体が資金で協力する賛助会員など、それぞれが出来ることで参加するスタイルをとる。「今回の全国大会での発表は活動会員にとって、大きな励ましとなりました。でも、ごみ端会議の活動の真価が問われるのはこれからだと思っています。私たちが未来へ引き継ぐものとして、今後もごみを徹底的に減らす暮らしのシステムづくりのために市民と行政が一体となって歩んでいきたいと思います」と、羽鳥会長、大澤事務局長は話す。 (国)