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思い出の分校がベースキャンプ
  〜できることから始めよう〜

 廃校になった小学校の分校を拠点に、町おこしを展開するのは大多喜町の『もみの郷会所(さとかいしょ)運営委員会』の皆さん(会長工藤実さん。会員20名)。
 最終的に11人の児童となった『老川(おいかわ)小学校会所分校』が53年の歴史を終えたのは平成13年3月。親の世代が材木を出し合い建築、かつては自分たちも通った分校だ。
 分校の周りは『内浦(うちうら)県民の森』に通じる遊歩道のある国有林。近くにはアジサイで有名な寺もあり、花や紅葉の季節に訪れる観光客はあった。しかし「村に活気を持たせるには一年を通してもっと人に来てもらわなくては」と廃校後の有効利用を住民と町で模索していた。
 都市と村の交流を目的にした『むらの再発見をめざして』というシンポジウムが分校で開かれた時、基調講演のため式に出席していた千葉県の大槻副知事の「蕎麦はどうですか」との一言で『蕎麦打ちの体験教室』を行うことに決定。会員が蕎麦打ちの指導者になるという一つの目標ができた。
 「副知事自身も蕎麦打ちが趣味ということもあり、全くのプライベートで最初の講師役を引き受けてくれました。副知事におんぶに抱っこでは申し訳ないと、みんなで早く蕎麦が打てるよう躍起になりました」と会員。その後、蕎麦打ちの練習会、試食と視察を兼ねた蕎麦屋訪問。また包丁を含めた蕎麦打ちの道具も会員が作るなど、蕎麦打ち体験に向け着々と準備を進めていった。
 そして昨年11月、成果を試そうとそれまで村の集会所で行っていた『紅葉(もみじ)まつり』の会場を分校に移し開催。大根やサツマイモ、また豚汁の販売と共に、蕎麦打ち体験教室を行った。
 「事前に町の広報のホームページに案内を出したので、県外からの観光客を含め、この小さな分校に千人もの人が訪れました。驚くと共に確かな手ごたえを感じました」
 また昨年、会が畑を借り栽培する大根を漬物に加工し、近隣のスーパーに卸したところ、天然塩と糠のみで作る糠漬けや、最高級の醤油を使ったたまり漬けが大好評。今では毎週大きな樽8個を漬けるまでの商売になっている。
 「他で働いたほうが金になるけど、みんなが分校を残そうとして頑張っています。昨年は時給が530円、今年は700円が目標です」
都合のつく会員が集まり漬物を漬ける。時給制を取っているのは会員の意識を高めることもあり励みにもなるからだ。
 「いずれ地元の若者がここで働けることを考えています。結婚して村から出て行っても、必要があればここに来て蕎麦打ちを教える事もできる」
 本格的に蕎麦打ち体験教室が始まるのは今年の4月から。畑には大根の他にサツマイモ、ジャガイモを植え、収穫を自分たちで行える体験農業も行う。この他にも自然観察会、竹細工教室、炭焼き体験も計画。
 「今年の『紅葉まつり』には自分たちが育てた新蕎麦を提供します。また7月のアジサイの季節には『アジサイまつり』も計画。この地域の山に自生していた、今では絶滅危惧種の『キヨスミサワアジサイ』を挿し木で増やしたものも販売します」
 分校の裏に川が流れている。紅葉の時期になると景観が素晴らしいことから、そこに露天風呂を作る話も。分校を中心に会員の夢はどこまでも広がっていきそうだ。(大谷)

問い合わせ/もみの郷会所運営委員会
小山さん
TEL/0470・85・0033

そば打ち体験


校 舎

炭焼き小屋

 

 



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