NO.33

地域環境を考える時、自然保護だけが対象じゃない。
もの言えぬ小さな命を奪うことを許す社会に
環境問題が語れますか?
不幸なペットをこれ以上増やさないで!


 アニマルレスキュー代表
     萬里小路(までのこうじ)晃子さん
               -千葉市緑区-
     福井 昭一郎さん(70歳)

 春は引っ越しのシーズン。同時に、野良犬や野良猫の数が増える時期でもある。ここで考えてみてほしい。野良になったいきさつを。そして、彼らの行く末を。
 町や野に放たれた犬猫は、住民の通報で保健所に捕獲されると数日おいて殺処分される。または飼い主自らの手で保健所に持ち込まれ、やはり殺処分される。平成13年度のデータによると、殺処分の多い自治体ワースト3に千葉県が入っている。

 千葉市緑区に、捨てられた犬猫を保護し、一時預かりのホームステイ先や新たな飼い主を探す活動、飼い方や躾などよろず相談を15年続けている女性がいる。『アニマルレスキュー』代表の萬里小路 晃子さんだ。
 15年前、実家のある都内から従兄弟の女性と引っ越してきた。移り住んだ家の近くには大きな公園があった。そこに毎日のように捨てられては、保健所の職員に捕獲され姿を消す犬や猫。ペットブームといわれながらも、それは愛護ではなく人間の身勝手なものである現実。犬や猫と家族同然に暮らしてきた萬里小路さんには、飼い主から家族の絆はおろか命さえも絶たれるペットの哀れさを思うと、じっとしていられなかった。連日、捨てられた犬猫を自宅に連れ帰り保護した。
 「本当に動物がお好きなんですねぇ」と言う人に対して、「冗談じゃない。好きなだけなら、自分の犬や猫だけで十分。どうして生活を犠牲にし私財を投げうってまでやるでしょうか。目の前の小さな命を救いたいと続けてきたのです」と憤る。無責任な人間たちへの怒りが、地道な活動を続けてきた原動力である。
 保護し里親に渡した犬猫の数は約2000匹。平成7年、地域社会の向上に貢献したと、活動が認められエイボン女性文化センターから表彰を受けた。「近所の動物病院の協力なくして私の活動は成り立たなかった。子犬を1匹保護すると里親に渡すまでエサやミルク代だけでも最低1万円はかかる。これにペットシーツや医療費を含めると更にその額は増える」と萬里小路さん。
 保護できるスペースも限りある。「犬猫小屋に私が住んでいるようなもの」と言う。自宅は里親に渡せなかった噛み癖が直らない、又は病気などで、多数の「少々難アリ」の犬や猫が暮らしている。だから、里親が見つかるまで、捨てられ人間不信に陥った犬や猫にたっぷり愛情を注いでくれるホームステイ先を随時募集している(その間のエサ代や治療費はアニマルレスキューが負担する)。
 「たとえ五体満足でなくても、里親探しはあきらめないで。世の中には自分達のような人間もいるのだから、かわいそうな子こそ飼おうという優しいひともいるはず」が持論。実際、目が腐った状態で捨てられ眼球摘出して命拾いした片目のない犬も、片足のない犬も里親が見つかり、後に可愛がられている様子がわかる写真入りの手紙が届いたという。とはいえ、里親候補には厳しい電話と面接での審査をする。二度と不幸なめにあわせないために。
 『アニマルレスキュー』は組織ではない。萬里小路さん個人とその活動に共感して里親探しに協力したりホームステイになってくれる数人のボランティア(無償)で成り立っている。
 萬里小路さんの1日は朝3時間の犬の散歩から始まる。昼過ぎに終えて午後から店に出る。夜、店を閉めて帰宅して再び犬の散歩に。そして猫のトイレ掃除が終わる頃には夜が明ける。ひと眠りしてまた朝を迎える。この合間をぬって保護に出向いたり、電話相談に対応する。
 一昨年前からは同居している従兄弟が部長となり、有志たちと地域委員会で自治会公認の『ペット部会』を発足。毎月ニュースペーパーを発行し、犬や猫の飼い方や習性等をレポートしている。周辺の800世帯に配布する。自分達の手の届く範囲、近隣住民から動物愛護に関する啓蒙活動をしていきたいという。
 私財を注ぎ込み15年。年に数回バザーを開催し売上金を資金の一部にあてていたが、焼け石に水状態。資金も底を尽きかけ、「最後のあり金はたいて」ブティック『スティルクレイジィ』を開業した。幅広い年代層向けに、都内から特別ルートで仕入れる1点モノを格安で販売している。「シャツ1枚でも買って下さることが、活動を支援すると思っていただけたら」と、心あるひとの来店を待ち、今後の活動継続をと希望をつなぐ。ペット入店可。希望者には萬里小路さん手作りの飼育マニュアル冊子を渡している。飼育相談も無料で行っている。
 最後に、「軽い気持ちで飼う人が一番悪いけれど」と、前置きした上で「行政は業者の摘発や取締のための法律をつくり、販売法の見直しや行政による犬猫の去勢・避妊手術の助成金を出すべき。保健所での殺処分にかかる費用を、里親探しまでの預かり施設や終生飼養をするシェルター運営に切り替えること。私達の税金を哀れな動物を殺すためでなく、生かすために使ってほしい」。萬里小路さんは熱い口調で話す。   (内田)

問い合わせ/アニマルレスキュー
TEL/043・294・8876
※アニマルレスキューは、犬猫の収容施設ではないので、持込は受付けていません。


《里親探しについてアドバイス》

【方法】

●友人、知人、親戚など身近な人からあたる
●ポスターを貼る(商店、スーパー、銀行、郵便局、動物病院などにお願いする)
●タウン誌など地域情報紙に掲載

【萬里小路さんの里親の条件】

●雑種であろうと大型犬であろうと完全室内飼いをする
●避妊・去勢手術をする
●1日2回、短くてもいいから散歩する
●将来、引っ越す時も連れていくと言える人

※注意!!

里親希望者の中には、実験動物払い下げ用にと
健康な犬猫を手に入れようとする人(業者や主婦のアルバイトで)がいるので注意して!
里親が決まったら、必ず1週間以内に様子を聞くなど連絡をして。
できれば写真を送ってもらう。

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