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世界に誇れる貴重な天然資源 ヨードで町おこし

 白子町はテニスコートが400面もあり、テニスの町として知られているが、実は天然温泉の町。
 ヨウ素(ヨード)が含まれたかん水を源泉とし、そこから各温泉宿に引き込まれる。湧出温度は摂氏31度と、温泉としては低温なので、かん水を採取する時一緒に噴出する天然ガスで温め、客に提供する。しかしかん水はあくまでもヨウ素を取り出す過程の産物、ヨウ素生産会社や町の温泉組合なども積極的に「ヨード温泉」を宣伝することはなかった。その結果、全国的な知名度はなく、近年の激化する温泉ブームにも乗れていなかった。
 「全国のあまたとある温泉と競争するため、差別化を図らなければならない。何を売りにしようかと考えたとき、肌がすべすべになり、喘息やアトピー皮膚炎に効くとされているヨードをもっとPRしようと考えました」と話すのは会長の前橋貴男さん(飲食店経営)。
 そして平成14年、白子町商工会と地元のヨウ素生産会社、温泉組合などから構成される『白子町ヨウ素活用地域活性化協議会』(会員33名)を発足させた。
 ヨウ素は輸入大国の日本が唯一、世界に輸出している天然資源。しかも白子町では年間千トンほど産出されており、なんと世界の産出量の約6%以上を占めている。しかしX線の造影剤や写真フイルムの感光剤といった工業の分野で使われることが多く、一般にはあまりその効能は知られていないのが現状だった。実際、産出地の白子町でもヨウ素を詳しく説明できる人はいなかったという。
 「まずヨードが殺菌や消臭力に優れていることを知ってもらうため、ヨードを含んだ商品を開発することにしました」
 商品化第一号となったのは台所洗剤の『天然ヨード物語』。洗浄力や消臭力が強く、除菌もできカビ防止の働きがある。しかもヨードは海藻のエキスなので、人や環境にもやさしい優れもの。一本200円(お試し価格)で町内の温泉街のホテルや地域の商店に置いてある。使ってみると少々ヨードチンキの臭いがして、殺菌効果がありそう。実際にデータとして殺菌消毒の効果はあるが、薬事法の関係で明確に書けないのが残念だという。
 「たかが台所洗剤と言ってしまえばそうだが、温泉に入っている成分でできている洗剤をお土産として購入してもらえば、全国にヨードの効能、及びヨードを含んだ温泉の町白子を宣伝できると思いました」
 温泉街でもそれまで「美人の湯」としていた看板を、ヨウ素の効能をより具体的にした「美肌の湯」に替えてPR。ホテルによっては『天然ヨード物語』を宿泊客に無料で配るなど、「ヨード温泉・白子」の宣伝に努めている。そして更にヨウ素を理解するため、ヨウ素の研究発表の場である国際シンポジウムに会として参加。昨年、千葉大学で開かれたシンポジウムで出席者約300人を前にヨード温泉や洗剤を紹介した。
 「『天然ヨード物語』を知事にプレゼントしたところ、大変気に入ってもらえ、その後も個人的に購入していただきました。そして県の特産品としてバックアップすることを約束してくれました。またある大手スーパーは今のところ2店舗で取り扱ってくれていますが、評判がよければ千葉県全店に置いてくれるとのことです。ヨード温泉を使った温泉療法、また塩素に代わって公共のプールや風呂の殺菌消毒にヨードを使えないかなど、専門的な研究も必要になってきましたが、やりがいを感じています」
 ヨード温泉を担う次の世代を育てるため、ヨウ素に関する副読本やビデオを作成し地元の小中学校に配布する予定。また、ヨーロッパの会社が持っていた特許が切れ、ヨウ素を自由に国内で加工することができるようになったのを受け、今後は白子町にヨウ素を商品化する企業を誘致する計画もある。
 洗剤から始まった町おこし。身近にありながらも有効利用できなかった期間を埋めるかのように今、ヨウ素で人と町が動き出している。温泉の町・白子、また主成分のヨウ素の効能が全国的に知られるのはそんなに遠いことではなさそうだ。   (大谷)

問い合わせ/白子町商工観光課内事務局
TEL/0475・33・2111



会長の前橋さん

 



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