子どもの心の育み、高齢者への役立ち、まちの賑わいづくり、近隣の自然環境整備など、行政では担いきれない活動を思いのある人たちで形にしようと、ちはら台団地に『NPO法人ふるさと生きがいづくり』が立ち上がったのは昨年の夏だった。農園づくり、サロンの開設、桜の植樹、村田川周辺や里山の整備、ネイチャーゲーム大会、ビオトープづくり、収穫祭等々、仲間の提案は次々と実行に移された。
「縁あって共に暮らすことになったちはら台を、住民のだれもがここに住んで良かったと思えるふるさとにしたいという思いで活動しています」と、会代表の竹内正欣(まさよし)さん(71)は話す。活動の中心となるのは、40〜50代の働き盛りの男性たちばかり約25名。まちづくりワークは、仕事が休みの土日が中心となる。「地域社会のためとはいえ、やっている自分たちが楽しくなくては長続きしませんから」と話すのは、佐藤三千夫さん(55)。仲間には、自治会やPTAなど、地域活動での経験豊かな人材が揃っている。「農と園芸の達人、熟練技術者、自然大好き人間、マネージメントや情報収集が得意な人など、色々です。それぞれの人生の中で培って来た知識やノウハウを出しあえば、いろんな事ができるものです」と、仲間たちは作業をシェアしながら様々なアイデアを形にしてきた。
地域の地主から無償で提供してもらっている600坪と400坪、2カ所の『皆楽農場』は、農体験やビオトープづくりを通じて、子どもたちや地域住民との交流拠点となっている。育てたジャガイモやサツマイモは収穫祭に、トウモロコシは夏祭り出店時に活用する。また、市から支援を受けて『まきぞの自然公園』の管理を、仲間で行っている。「将来、収益金がプールできるようになれば、貧困国に小学校を建設するというのも目的のひとつです。国際貢献という目標があれば、皆のがんばりも違ってきますからね。でも、スタートしたばかりで備品や道具類を揃えるのに、黒字どころか赤字続きです」と笑う。
そして、もうひとつの交流拠点は、まちの賑わいづくりの一助になればとオープンさせた『ピープルサロン』。開発途中の団地にもかかわらず、ちはら台も景気低迷で閉店してシャッターが降りたままの店舗がある。自分たちのまちの将来や未来を語りあえる出会いと仲間づくりの交流の場にしたいと、家主の好意で空き店舗を提供してもらって、開設することができた。千円程度あれば、飲んで食べられるメニューをとスタートしたのが1年前。男たちは、サロンがオープンする土日の夕方になると集まり、手料理を仕込んだ。「今年の初め、ありがたいことに70代の女性がおふくろの味で良いならと協力を申し出てくれました。NPOの活動を理解していただき、安い材料で作る美味しい料理は、おかげでサロンの売りになっています」という。
まちづくり活動は地域住民とのつながりが大事と、団地内だけでなく近隣地域との交流も大切にしている。イベント開催時には住民に広く呼びかけ、毎回多くの子どもたちとファミリーの参加を得ている。9月23日(祝)には、市原市のまちづくりアイデア支援事業のひとつとして、子どもたちを対象に自然体験プログラム『村田川おもしろ発見伝』を開催し、村田川沿いをエコウォークラリーする。自分たちの住むまちを、心身ともに元気に年を重ねていける自慢できるふるさとにしたいと、子どもたちとのふれあいを大切にしながら活動を続ける。 (国)