姉崎地区青葉台団地。3丁目中央公園に面した民家『ふれあいハウスほのぼの』に、ご近所さんの送迎でお年寄りたちが集まって来た。台風が関東を通り過ぎた10月21日(木)、心豊かに暮らせるまちにと活動する青葉台さわやかネットワークが、楽しく集える空間を地域の人に提供したいと『ふれあい昼食会』と『ほのぼの茶話会』を開いた。
団地ができて40年近く。公園で遊ぶ子どもたちはすっかり減り、高齢者が目立つようになった。出身地は全国各地という住民が多い青葉台団地に、遠い親戚より頼りになるのはご近所と、住民互助の『青葉台さわやかネットワーク(ASN)』ができたのは、11年前だった。助け合う仲間の輪は広がり、協力会員と利用会員あわせて現在314名。家事援助、外出介助、草刈りや庭木の剪定、犬の散歩や庭の散水、パソコン教室など、提供するサービスも「困った時のANS」が合い言葉になるほど、多岐にわたる。
平成12年にNPOの認証を受け、活動拠点を自治会館から商店街店主の好意で店舗2階に間借りした。平成14年には訪問介護の事業所として認定された。小学校でのふれあいルーム、中学校でのボランティア相談室など、子育て支援も行っている。「あれもこれもと思われるかも知れませんが、地域と多くのかかわりを持つことでネットワークづくりをしてきました。しかし、組織が大きくなればなるほど組織に縛られて目的を見失う場面もありました」と、代表の山田治男さん(79)は会運営の難しさを語る。
地域で助け合うという原点に立ち帰り、皆で考えた。「会のためではなく、地域の人に喜んでもらえる活動にしたい」。拠点として求めた事務所も、会員の思いを形にするには手狭に感じてきた時、イベント開催も可能な広い公園に面した空き家の話が舞い込んだ。「高齢者も子どもたちも気軽に立ち寄れる居場所をつくりたい。ここならできる」と、今年7月に新たな拠点『ふれあいハウスほのぼの』をオープン。ヘルパー管理責任者の上柿あけみさんは「皆で一緒にお昼を食べて、昼寝して、買い物行って。だれが利用者さんで、だれがボランティアさん?そんな気軽なデイサービスが私の長年の夢でした」と話す。
キッチンから炊き込みご飯の美味しそうな匂いがしてきた頃、リビングと和室に集まった24名のお年寄りたちは、会員の心のこもった家庭料理を楽しみながら会話を弾ませていた。「年をとると、外出がおっくうになります。このような機会があるとうれしいですね」「息子夫婦と四国から青葉台に越して来てまだ1年。友人もいなくて寂しくしていましたが、今日は素晴らしい出会いをいただきました」「60代まではサービスを提供する立場でしたが、70代となった今は利用させていただく立場となりました」と話す。料理自慢のボランティアスタッフたちは「無理のない範囲でやらせていただいていますので、楽しく参加できています。ごちそうではありませんが、皆で話し合って温かい家庭的なメニューを用意しました。活動は、私自身のやりがいにもなっています」という。午後からは、新たな参加者を迎え、煎茶サークルのお手前で茶話会を楽しんだ。
団地の中の拠点づくりで一番気になるのは近隣の理解だが、空き家の提供者であり運営のリーダーでもある中戸幹郎さん(65)の人柄と信頼が解決した。「ふれあいハウスほのぼのと中央公園を活用して、子どもからお年寄りまで地域に暮らす皆さんが楽しくいきいき集える空間を作ろうというこの事業は、県と市とNPOが協働で取り組むいきいきいちはらふるさとづくりに採択されました。10年以上、団地内で活動しているASNですが、まだまだ住民の皆さんには認知されていません。年末まで、ふれあい昼食会とほのぼの茶話会をそれぞれ月2回、11月には中央公園でふれあいバザーを、12月には餅つきを開催します。楽しいイベントを通して多くの方に私たちの思いを伝え、同時に人材の発掘ができたらと思っています」と中戸さんは話す。 (国)