NO.53

あけましておめでとうございます

 いつもご愛読どうもありがとうございます。
 創刊以来「よりよい地域をめざして」を合い言葉に発行してきた地域情報紙シティライフは、今年もまちづくりをテーマに、各地で活動する皆さんをご紹介していきたいと思います。

家族、学校、地域みんなで分かち合い
助け合い 認め合い いたわりあい
丹精こめて 愛情こめて
素直な気持ちで 子どもを育てたい

はっぴーくらぶ(山武郡大網白里町)

 中嶋悦子さん(39)が埼玉県所沢市から大網白里町のみずほ台団地に引っ越してきたのは一昨年の夏。中嶋さんには中学1年生の娘を頭に4人の子どもがいる。
 転勤族の妻である中嶋さんは、子育ての真っ最中で慌ただしい日々を送っているが、昨年6月、地域子育てボランティアサークル『はっぴーくらぶ』を立ち上げた。
 中嶋さんは、かつて地域に溶け込めず、上下関係や規律の厳しい官舎暮らしの中で、子育てに行き詰まり親子で家に引きこもってしまい苦しんだ経験がある。
 初めての子どもが生まれ喜んだものの、育児のストレスで疲れ果て、周りの母親が皆自分より優れて見え落ち込む日々。「実家や親戚も遠いし、新しい土地でママ達のグループの輪に入りこめず、気軽に相談できる友達もいませんでした。人に迷惑はかけない、と一人で頑張って子育てしていました。ところが、3番目の子どもを妊娠している時に、近所の人の思いやりのなさから切迫流産をしてしまいました。周囲の人に頼るつもりはなかったけれど理解はしてもらいたかった」と、幼な子を抱え孤独な妊婦であった当時を振り返る。
 今も子育て進行形だ。でも、気心の知れた仲間がいるし、まだ少ないが応援してくれる地域の人達も現れた。この10年間試行錯誤しながらも、子育てについて学び実践し手応えは感じている。
 「今の子ども達が抱える様々な問題は、幼児期の子育てと深く関わっていると思う。乳幼児期から小学3年生ぐらいまでの学童期は、人生の中でとても大切な時期。私自身、引っ越しが原因で子どもが学校でトラブルを起こした時、子育てについて勉強しておいて良かったと実感しました。何かあったら、その時に考えればいいという方も多いですが、取り返しのつかないこともある。後になって、あの時にやっておけばよかった、という言葉をたくさんのお母さん方から聞きました。母親になるのに資格はいりませんが、子育てには何が必要で子どもにとって何が大事なのかを勉強することが必要です」と話す。
 少子化に伴い、兄弟や異年齢の友達との関わりが少なく、子どもの社会性が育ちにくい。人と人との良い関係を築くには、協調性、柔軟性、責任感、社会的ルール、思いやりなどが必要だ。このような社会性は、学校や家庭だけで身に付くものでなく、地域のお年寄りを含めた大人や異年齢の子どもと関わることで、はぐくまれてゆく。
 同時に、母親が育児ノイローゼにならないよう、心の荷物を安心して降ろせる場を地域につくりたい。それには、まず母親が何でも気軽に話せる人達が身近にいなくては。「ひとりで頑張りすぎないで」今はそう言える。心にゆとりが出てきたら、地域のために何かできることを、お返しすればいい。過去の自分のようなつらい思いをしている母親の力になりたい。
 家庭だけでなく学校を含めた地域ぐるみの子育てを。それが中嶋さんの願いだ。でも、「残念ながら、大網には児童館がないし、子育てに関するサークルも少なく、異年齢の子ども達がふれあい集まる場所もない。だったら自分でその場をつくればいいと考えたのです」
 とはいえ、最初からスムーズに事が運んだわけではない。中嶋さんはチラシを作り、公園や幼稚園などで配って参加者を募ったが、「引っ越してきたばかりの人間が何でそんなことをやるんだ?」とか、「勧誘とかセールスの類じゃないの?」という目で見られ、反応はゼロだった。後ろ盾が必要だと思い、社会福祉協議会に出向き、自分の思いを語った。結果、社会福祉協議会のボランティアグループとして登録された。
 現在、中嶋さんを支える坂本さんも、ほぼ時期を同じくして、大網白里に越してきた転勤族の妻であり、小学1年生と2歳の男の子がいる。「中嶋さんに声をかけてもらって参加して良かったなと思う。私は子育てサークルに参加したこともないし、ボランティアの経験もない。そんな私に何がお手伝いできるのかと、最初は躊躇したのですが、その時、中嶋さんが言った『自分の持っている力で一生懸命やれば、必ずいつかは自分に返ってくる』という言葉で、私の頑(かたく)なな心が溶けたのです。人前で話したり深く人と関わるのが嫌だった自分を変えたいとも思いました。『はっぴーくらぶ』に参加することで、そのトレーニングができればと考えたのです。でも、本音を言えば、本心から喋れる友達がほしかったんです」と胸の裡(うち)を明かす。
 活動は毎月1回、地元の自治会館等で行う。様々な催しを通じて、地域の人達との交流を図る。これまでに行った催しは、竹馬、メンコ、けん玉、紙芝居などの昔遊び、小中池散策、子育て講座などで、昨年末にはクリスマス会も。「缶ポックリや割り箸てっぽうとか、自分で作って遊ぶのは面白かった」と、昔遊びに参加した子どもは言う。
 ガールスカウトに入っている中学生が母親と「何かお手伝いできることはないですか」と参加し、子ども達に折り紙を教えてくれた。クリスマス会には大網中学校の女子が5人参加して、班分けした子ども達の班長となった。大人が子どもに教えるだけでなく、こうした年長の子どもがリーダーシップをとって、まとめ役のできるような「リーダー養成もしたい」と中嶋さん。
 今後は、周辺で活動する人達やボランティアグループとの連携も図りたい。たとえば、囲碁クラブのメンバーに講師を依頼したり、点字や手話を教えてくれる人にお願いしたいなど。また、町内にある幼稚園に入る前の子ども達が集まるサークルとの交流や、老人施設等の訪問も考えている。
 『はっぴーくらぶ』では会費は徴収しない。参加費のみ。誰でも、いつでも気軽に参加して楽しんでもらいたいから。
 子どもと母親だけでなく、父親やお年寄り、学生など、参加者の年齢は問わない。「前回の昔遊びは参加者の子どものお父さんに先生役をお願いし、自分の子ども時代の遊びを伝えてもらいました。親子で同じ遊びをすることで会話が増えるし、母親同士だけでなく父親同士の交流ができるのも有意義だと思います」と代表の中嶋さん。他、『親の会』もあり、不定期に茶話会や講習会、悩み事相談などを催し、気軽に話せる場を設けている。
 「私がこの活動をやっている一番の理由は、子どもが好きだから。そして、人間が好きだから。やりたいからやっている、ただそれに尽きると思います」と、中嶋さん。実際に活動を始め、まだ数カ月だが、毎回、催しの申込者は増えている。会場の都合もあり、予約で申込みを受け付け、定員になり次第締め切る。興味のある方は電話で問い合わせを。尚、活動の運営を手伝ってくれる仲間も随時募集中。(内田)

問い合わせ/中嶋さん
TEL/0475・73・3142

坂本さん(左)と中嶋さん

おいしそ〜

「できあがり!」大網中学校の女子生徒達

  

 



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