小児科のある医院や幼児サークル、子ども連れで利用する店舗や公共施設など、子育てに関する情報を集めた『わっくわくいちはら特別号・子育て応援マップ』が昨年の秋発行された。NPO市原市こどもセンターが制作したものだが、情報はNPOなのはな地域情報センターの協力でマップとなり、印刷は小規模作業所ワークフィールド・インクが担当するなど、地域のニーズが複数の市民活動団体の連携で形となった。
年4回、3万部発行する『わっくわくいちはら』は、市内の小学校、幼稚園、保育園等で配布される。子育て情報は毎回掲載しているが、限られた紙面の中では一部しか提供できないのが、こどもセンター編集スタッフの悩みだった。「情報誌は公民館などの公共機関にも置いてあるのですが、就園前の乳幼児を持つ家庭には行き届かないのが現状です。現在、市原市内には2カ所の子育て支援センターと3カ所の児童館がありますが、一番問い合わせが多いのは幼児サークルです。つどいの広場事業や子育てメッセ開催等で、情報収集はしていましたので、問い合わせには答えられるのですが、スペースの関係で紙面に掲載できないというジレンマがありました」と話す。
必要とする人が保存版として利用できるようにと『子育て応援マップ』を提案。昨年9月、同センターから情報収集のために各施設、事業所、団体に情報調査依頼を送付した。まず返って来たのは「こどもセンターって、何?」の問い合わせの電話だった。次は「授乳室もベビーベットも子どもスペースもないので、質問に答えることができない」という内容。「私たちとしては、無いということに気づいていただく良い機会になったと思っています。事実、調査後大型店舗に行って『子ども用便座あります』の貼り紙を見たときは、効果あり!と思いました」と、スタッフはニンマリ。
掲載は、原則情報公開を承諾する返事が戻って来たものだけにした。より、見やすく分かりやすくするため一覧表にしたが、広域の市原市で住所だけでは場所は特定しにくい。行動範囲が限られている子ども連れにも分かりやすくするため、情報を地域別の地図に落とし込むことにした。そこで、お助けマンとなったのがNPOなのはな地域情報センターだった。「地図はフリーに使えると思っている方が多いようですが、著作権があって印刷物等に勝手に使うことはできません。私たちは、区画整理などを手がける設計関係で蓄積した地図に関する様々なノウハウを持っていました。それらを、まちづくりに役立ててもらおうとNPO法人を立ち上げたばかりでした」副理事長の新藤進さん?は、初めての依頼に赤字覚悟で支援したと話す。
「市内の測量会社20社が協同組合を組織して、協力関係の中で地図情報に関するシステムを作りあげてきました。地図と情報の双方向から検索可能なナビのようなものだと思ってください。市内すべての地図データはあります。そこに、みなさんが必要とする情報を落とし込めば、様々なニーズに応えられる地図ができ上がります。印刷物は今回が初めての経験でしたが、互いに手をつなぐことで可能性はどんどん広がると思います」と新藤さん。市内に本社を置き、地図情報を配信する日本コンピュータグラフィック株式会社もNPOなのはな地域情報センターを支援する。災害時に役立つ独居老人マップ、交通安全を呼びかける交通事故多発マップ、駅前ラーメンマップ等々、情報があればアイデア次第で地域ニーズに応えられる役立ちマップができるという。
まさに地域のニーズが生んだ『子育て応援マップ』は、NPO同士のコラボレーションで形になり、小規模作業所で2000部が製作印刷された。 (国)