さかき団地(93世帯・295人)は、昭和49年に長生郡南部開発公社が睦沢町川島地区に建設した、小規模ながらもゆとりある住宅団地。昨年10月に開設30周年を迎えている。
今、この団地では中高年パワーを生かしたいと考えていた人達で結成した『きがるにサクラ会』(清野彰代表)が創刊(2月20日)した、団地の高齢化問題を考える『きがるにサクラ新聞』が話題を呼んでいる。
手作り新聞誕生のきっかけは、団地開設30周年記念誌『さかき』を刊行した昨年10月にさかのぼる。会の事務局長の室川正治さん?は、「記念誌に寄せられた住民達の寄稿に、それまで表だって現れなかった高齢者の『不安の思い』が述べられていた。それはサクラ会のメンバー達のかねてからの共通した思いだった」と言う。住民達の危惧は、さかき団地で急ピッチに進む高齢社会化に対するおそれだった。この10年の人口の動きをみても明らかで、現在、60歳以上が101人、50歳以上でみれば159人に上る。
『きがるにサクラ会』が発足したのは『さかき』の刊行直後。高齢社会になると日々の暮らしに様々な変化が起きる。高齢者自身の健康や福祉の不安が増す問題をはじめ、平成8年9月の豪雨で河川の決壊による床上浸水等の被害を経験してきただけに、地震や台風等の自然災害の際の対処法なども気がかり。そして、今はまだ美しい住環境も手入れを怠ると荒れ果ててしまう…。山積する課題に「このまま傍観していてよいのか」と立ち上がったのが会の成り立ちだった。
ボランティア活動の『きがるにサクラ会』を立ち上げたのは、朝比奈隆(画家)、朝比奈時子(編集者)、朝比奈誼(元大学教授)、石井資浩(元県庁職員)、清野彰(会社員)、高野啓子(主婦)、高橋勝也(新聞社OB)、室川正治(スポーツトレーナー)さん達8人。いずれも50〜70歳代で高齢者の気持ちがよく分かる元気な人達だ。
会の目的は『地域の情報新聞の発行』、『地域の環境・福祉を考える』そして、『地域住民の健康を考える』が柱。その活動内容は『健康・福祉分野』では健康管理の情報紹介と実践及び健康・福祉に関する体験談の収集と伝達。『景観分野』では団地内連絡網の手伝いと団地・区・町の景観の保持。『広報分野』ではサクラ新聞の制作。それぞれを8人のメンバーが担当する。
サクラ新聞の創刊号はB5判の2頁ながら内容は充実。団地の現況がよく分かる。3カ月がかりで暇を見つけて集まりフリートーキングを重ねた結果、行き着いたのが『安全・安心の住環境づくり』と『心身が共に健やかな元気老人が活躍する団地づくり』を目指すという方針だった。それも、使命感に燃えてという大袈裟なものではなく、お互いができることを草の根的にコツコツと進めよう、という『きがるな』気持ちで取り組む会だ。
「我々は身の丈に合った活動をしているので、会の趣旨に賛同してくれる人なら気軽に仲間に参加して頂いてOK。新聞への投稿も歓迎です」と室川さんは話す。
尚、新聞の発行部数は250部。参考にしたい自治会等があれば問い合わせてみよう。(井上)